研究課題
全国の他施設共同研究施設におけるC型肝炎患者に対する移植症例のデータ集積および遺伝子多型解析に使用するレシピエントおよびドナーのPBMCもしくは切除検体から抽出したDNAを収集している。それとともに、IL28Bの遺伝子多型を特異的Taqman probeを作成しStepOnPlus;リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)を用いて検討する系を立ち上げた。共同研究施設から合計514例のC型肝炎に対する生体肝移植のデータベースを収集・構築し、ドナー198例、レシピエント231例の合計429例のDNAの抽出を行うことができた。臨床データベースの解析から、514例のC型肝炎に対する生体肝移植の後、366例にIFN治療が導入され、216例がVRに、157例がSVRに至ったことが判明した。VR率、SVR率はそれぞれ59.0%および42.9%であった。またIFN製剤は60.4%の症例でPeg-IFNα2b、28.9%の症例で通常型IFN、10.7%の症例でPeg-IFNα2aが使用されていた。治療開始時期および治療量の設定は施設によりそれぞれであった。C型肝炎に対する移植後生存率は、5年および10年後でSVR例ではそれぞれ94.1%および83.0%、非SVR例でそれぞれ79.7%および60.8%(p<0.001)であり、SVRが患者生存率に大きく関わっていることが判明した。対象患者に於いては75.6%の症例がTT型のIL28B遺伝子多型をもち、それ以外のTGあるいはGG型はそれぞれ23.5%および0.9%であった。ドナーおよびレシピエントのIL28B遺伝子多型がTTのものでは有意にSVR率が高率であったが、TGあるいはGGのものではSVR率は非常に低値にとどまった。また、これまでに、移植前後および移植後IFN+RBV治療中の生検肝組織を材料とし、IFNによって強く誘導されるISG15mRNA発現量を定量的RT-PCRで検討したが、レシピエントではSNPの有無と相関していたが、ドナーでは関係していないという興味深い結果を得ており、in vitroにおいて確認中である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Transplant International
巻: 未定 ページ: 未定
10.1111/tri.12329.