癌周囲低酸素環境が癌の悪性度に影響することが示唆されている。本研究は、低酸素環境が癌関連線維芽細胞(CAF)と胃癌細胞との相互作用におよぼす影響について検討した。胃癌細胞とCAFを低酸素状態にて共培養し、増殖能,遊走能、及び増殖因子受容体発現を検討した。その結果、低酸素はスキルス胃癌細胞のCXCR4発現やCAFのCXCL12産生を亢進させ、CAF-スキルス胃癌細胞の相互作用を促進した。CXCR4阻害剤はこの相互作用を抑制した。以上のことから、低酸素環境はスキルス胃癌のCXCL12/CXCR4シグナルを増強し、CXCR4はスキルス胃癌の分子標的であることが示唆された。
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