研究課題/領域番号 |
23390331
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
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研究分担者 |
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60236677)
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10322372)
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40398459)
廣野 誠子 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60468288)
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キーワード | ペプチドワクチン / VEGFR-1 / VEGFR-2 / MUC16 |
研究概要 |
難治癌である膵癌に対する新規治療法として、腫瘍新生血管と膵癌細胞の両者を抑制する2方向性新規ペプチドワクチン療法を開発することを目的として本研究を開始した。腫瘍新生血管の標的分子としてVascular Endothelial Growth Factor Receptor-2(VEGFR-2)およびVEGFR-1を用いる。膵癌細胞自身の標的分子としては、われわれの膵癌の網羅的遺伝子解析の結果からMUC17,MUC16およびMesothelinが有力な候補である。VEGFR-2由来のペプチドは既に同定しており、臨床試験(TR)や治験を行っているため、まず、VEGFR-1由来エピトープペプチドの同定、及び膵癌細胞自身の標的分子の候補のなかから、免疫療法の理想的な標的となりうる分子、すなわち、膵癌の増殖や転移に必須の分子で正常細胞では発現しない、いわゆるOncoantigenの同定が平成23年度の達成目標であった。VEGFR1タンパクのアミノ酸配列からHLA-A^*2402拘束性エピトープペプチド(9mer)をコンピューター解析により10種類作成し、HLAへの親和性解析をおこなった。HLA親和性の高いペプチド上位5種類を用いて健常人末梢血単核球(PBMC)より樹状細胞(dendritic cell;DC)を誘導し、ペプチド刺激後stimulatorとして使用し、健常ヒト自己PBMCからVEGFR-1ペプチド特異的なCTLが誘導できるか、その機能解析を行った。その結果、VEGFR-1由来ペプチドワクチンの同定に至った。一方、網羅的遺伝子解析からの候補分子の膵癌における免疫組織化学染色を行った。膵癌で高率に発現するのみならず、膵癌のinvasivefrontで最も発現がみられたMUC16をOncoantigenとして同定し、本免疫療法の膵癌細胞自身の標的分子とした。(792文字)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の達成目標であったVEGFR-1ペプチドの同定と膵癌でのみ特異的に発現し、理想的なペプチドワクチンの標的となるOncoantigenの選出を実際に達成したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は従来の計画通りに研究を進展させていく。すなわち、MUC16由来エピトープペプチドを新たに同定し、VEGFR-1ペプチドとカクテル化した製剤の第I相臨床試験を実施する。これらのペプチドワクチンはHLA-A^*2402拘束性である。HLA typeによる患者制限を解消するため、他のHLA type(HLA-A^*0201,A^*0206)について対応できるエピトープペプチドの同定を目的とした研究も遂行する。
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