研究課題/領域番号 |
23390332
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平松 祐司 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30302417)
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研究分担者 |
揚山 直英 独立行政法人医薬基盤研究所, 豊長類医科学研究センター, 主任研究員 (50399458)
榊原 謙 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60192085)
長谷川 雄一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00251059)
後藤 行延 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20451700)
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キーワード | TFPI / アンチトロンビン / トロンボモジュリン / 体外循環 / 外因系凝固 |
研究概要 |
心臓外科手術において、体外循環が惹起する凝固線溶・炎症の亢進とこれに伴う臓器障害を抑止すべく、従来のヘパリンに代わる革新的な抗凝固手段の開発を目指した。内因性TFPI誘導による組織因子阻害に、アンチトロンビンとトロンボモジュリン添加によるトロンビン産生・活性阻害を組み合わせ、外因系・接触-内因系2方向からの徹底した凝固線溶および炎症の制御を試みた。体外循環が惹起する主要凝固系路と目される外因系の遮断と、アンチトロンビン・トロンボモジュリンによる接触-内因系路の要所の阻害および生理的thrombin-antithrombin相互作用バランスの維持により、凝固線溶・炎症の亢進を初期段階で強力にブロックする革新的な抗凝固法を確立し、体外循環の安全性向上に寄与することを目的とした。サル体外循環において、手術前ヘパリン予備投与による内因性TFPI誘導とアンチトロンビン、トロンボモジュリン添加を併用し、凝固線溶・炎症関連マーカーの変化を観察した。体重5kg前後のカニクイザルに人工心肺を装着し、120分間の軽度低体温体外循環を行い4群を比較した。[コントロール群]、[内因性TFPI誘導群]、[内因性TFPI誘導+アンチトロンビン群】、[内因性TFPI誘導+アンチトロンビン+トロンボモジュリン群]。4群において経時的に以下のマーカーを測定した:トロンビン産生に関する血中TAT、F1.2、D-dimer。血小板機能としてADP凝集能、出血時間、microparticleとGMP-140。炎症のマーカーとして好中球接着分子CD11b/L-Selectin、IL-6、TNF-α、好中球エラスターゼ、好中球細胞骨格F-actin、補体C5b-9。血中total TFPI、antithrombinIII、thrombomodulin、可溶性組織因子。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響で霊長類医科学研究センターの研究環境が被害を受け、また節電の必要もあって実験開始が半年遅れた。このため予定された実験頭数には至っていないが、研究結果は順調に蓄積されている。次年度への実験積み残しが生じる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、ヘパリンに依存したままの現行の抗凝固戦略から脱皮し、生理的プロテアーゼ阻害タンパクの特性を最大限に活用した外因系・接触-内因系2方向からのかつてない強力な凝固線溶・炎症機転制御手段を探求するための実験研究である。体外循環技術の安全性を飛躍的に高める可能性と意義を有し、やや実施は遅れているものの、今後も当初の計画通り研究を推進して行く。
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