研究課題
平成23年度は、常温でのEVLPが冷保存法よりも有用であること、をビーグル犬左片肺移植モデルで証明した。平成24年度は、低温EVLPが心臓死ドナーからの障害肺を回復させることを、ラット肺灌流モデルで証明した。これらの実験結果を受け、25年度は、比較的短時間(2時間)の低温EVLPが心臓死ドナーからの障害肺を回復させるかを、ビーグル犬左片肺移植モデルを用いて検討した。ヘパリン投与することなくKCL静脈内投与で犠牲死させ、4時間室温に放置したビーグル犬10頭を以下の2群に分けた。・冷保存群 (n = 5):4℃のET-Kyoto溶液で14時間冷保存・低温EVLP群 (n =5):4℃のET-Kyoto溶液で12時間冷保存の後、2時間低温EVLPその後、左肺を分離し、それぞれ5匹のレシピエント犬に移植した。レシピエント犬の右肺動脈を閉塞することによって移植肺の機能評価を行った。さらに、肺組織中のATPとMDA、気管支洗浄液中の各種サイトカイン、移植肺の病理検査を行った。低温EVLP群は、冷保存群よりも、有意にPaO2が良好であり、肺湿乾燥重量比が低かった。また、低温EVLP群は、冷保存群よりも、有意に肺組織中ATPレベルが高く、MDAが低く、気管支洗浄液中の炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6)は低かった。移植前のドナー肺病理所見では、冷保存群ではみられる微小血栓が低温EVLP群ではみられなかった。以上から、比較的短時間(2時間)の低温EVLPが心臓死ドナーからの障害肺を回復させると結論した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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