研究課題/領域番号 |
23390334
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥村 明之進 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252647)
|
研究分担者 |
南 正人 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10240847)
井上 匡美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10379232)
澤端 章好 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50403184)
中桐 伴行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70528710)
新谷 康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90572983)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 肺移植 / 拒絶反応 / 免疫抑制 / IL-6 amplifier / EGF |
研究概要 |
肺移植は、進行性で不可逆的な慢性呼吸不全に対して臓器置換型の根治的治療法として確立されており、本邦においても脳死ドナー・生体ドナーからの肺移植は年間に合計で40例程度行われている。しかしながら、肺は他の臓器に比して拒絶反応が起こりやすく、国際心肺移植学会の報告では5年生存率は50%程度であり、他の臓器の移植に比べて長期予後も低い。拒絶反応の抑制が、肺移植の長期成績の向上には極めて重要である。 肺移植後の慢性拒絶反応は閉塞性細気管支炎(BO)という形態で発症することが知られているが、その発生メカニズムは未だ不明なところが多い。我々は、マウスの肺移植動物実験と、ヒトにおける臨床肺移植後の生検検体を用いて、Th17細胞がBOの発症に関与していることを既に明らかにしてきた。 近年の基礎免疫学研究の進歩により、Th17細胞の分化にはIL-6が関与していることが明らかにされている。炎症部位では、繊維芽細胞が分泌するIL-6によりTh17細胞が誘導されると、そのTh17細胞がさらにIL-6を産生し、Th17細胞の分化が一層促進されるというIL-6 増幅回路の存在が明らかにされており、我々はこのIL-6増幅回路がBOの確立に関与していることも明らかにした。 BO病変部分では1型コラーゲンを発現する上皮細胞がIL-6とリン酸化STAT3を発現していることを確認した。IL-6 増幅回路により発現するケモカインとして CCL2が既に知られており、BO病変部分では1型コラーゲンを発現する上皮細胞がCCL2を発現することも確認された。さらに、1型コラーゲンを発現する上皮細胞の活性化にはEGF receptor のシグナルが関与することも確認された。以上より、BOの発症におけるIL-6 増幅回路の発現にはEGFの関与も予測される。これらの知見をもとに、肺移植後の慢性拒絶反応抑制方法を開発中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|