研究課題/領域番号 |
23390335
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90448035)
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研究分担者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
白川 幸俊 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20457013)
鳥飼 慶 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70364792)
吉川 泰司 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40570594)
島村 和男 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (10507205)
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キーワード | 解離性大動脈瘤 / ステントグラフト / micro RNA |
研究概要 |
当研究は、スタンフォードB型解離性大動脈瘤に対するステントグラフト治療後の大動脈のremodelingの解析およびそれに関わるBiomarkerの同定を目的としている。 remodelingの解析には安全かつ有効なステントグラフトによるエントリー閉鎖が必要となるが、現在本邦で使用可能なデバイスでは大動脈解離特有の急峻に屈曲し、かつ口径差の大きい大動脈に対し追従困難である。そこで、欧米で使用されている大動脈解離用デバイスであるconformable TAG (W.L.Gore & Associates, Flagstaff, AZ)を個人輸入にて購入し、平成23年度にスタンフォードB型大動脈解離患者6例の治療にあたった。30日死亡は認めず、良好な早期成績であった。術後6ヶ月後のCTでは、75%に真腔の拡大および偽腔の退縮が認められており、remodelingを達成できていた。この成績をもとに、cTAGを用いた前向き多施設共同研究によるremodeling解析トライアルに関する高度医療制度の認可も取得しており、今後、同トライアルによる解析を遂行していく計画である。 また組織学的検討、およびバイオマーカーの検討に関しては、大動脈解離を発症し、人工血管置換に至った患者の組織および血液サンプルを、大阪心臓血管外科研究会(OSCAR)を利用し、各施設の協力を得て収集を開始した。現在、組織学的染色、microRNAの測定を施行中である。急性期と慢性期では組織の繊維化、発現micro RNAが異なっている可能性があり、さらなる解析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の目標としていた大動脈解離用デバイスであるcomformable TAGによる治療を開始し、初期成績を得ることができた。また組織および血液の検体も目標数まで収集できているため。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、スタンフォードB型大動脈解離のaortic remodelingに関しては症例数を増やし、データを蓄積していく方針としている。また、バイオマーカーに関しては、今後も検体を収集し解析していく方針としている。
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