研究課題
1)ステントレス僧帽弁のデザインの模索:動物実験、臨床試験にて問題になった弁尖の形状、特に前尖のアーチを深くすることで、僧帽弁流入血流が改善することを期待し、流体力学シミュレータを用いて検討した。しかしながら前尖アーチを深くすることで弁腹の面積が小さくなり、逆流が増加してしまうことがわかり従来のデザインで動物実験、臨床評価を継続することとした。2)動物実験:平成23年~24年度に行った。計10頭のブタを使った実験において術後急性期の心エコー評価を行った。急性期には僧帽弁の有意な逆流は認められず、また拡張期の僧帽弁平均圧較差は低く、良好な血行動態を示した。さらに術前の心エコー計測での乳頭筋チップから弁輪平面までの距離が、ステントレス僧帽弁の脚の適正な長さになることが見いだされた。3)臨床応用:現在までに8例の臨床例を得た。すべての症例で術後経過は良好で、有意な逆流は認めなかった。遠隔期に関しては最長が約3年になろうとしているが、今のところ有意な逆流の再発はない。しかしながら拡張期に関しては平均圧較差がやや高い傾向に有り、さらに今後のフォローは重要である。4)広報・普及活動:平成24年7月第1回ステントレス僧帽弁臨床研究会を行い、実験データ、臨床例の報告、また適応に関するパネルディスカッションを行った。ゲストコメンテーターとしてPatric Perrierを招聘した。平成25年7月第2回研究会を行い、実験データ、臨床例のアップデートを行い、また適応拡大のためのパネルティスカッションを行った。ゲストコメンテーターとしてPhan van Ngyuenを招聘した。学会発表としては平成24年10月欧州心臓胸部外科学会(バルセロナ、スペイン)にて1例報告を行った。また症例登録制度を開始し、広く参加施設を募集するとともに、手術手技の指導のためにウェットラボを年2回開催している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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