研究課題/領域番号 |
23390344
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
成相 直 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (00228090)
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研究分担者 |
豊原 潤 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (50425659)
松村 明 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241819)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 悪性グリオーマ / 転移性脳腫瘍 / PET / DNA合成 / チオチミジン |
研究概要 |
分担研究者豊原らによって新規に開発された4’-[methyl-11C]thiotymidine(11C チオチミジン)(以降11C-4DST と表記)は、PET 診断薬として世界で初めて生体で腫瘍細胞のDNA に取り込まれることが確認された薬剤である。本研究において、脳腫瘍患者における臨床計測を継続した。これまで述べ60名の脳腫瘍患者の計測を行った。原則として動脈採血下の動態解析から腫瘍DNA分画への診断薬の取り込み速度の定量計測を行っている。これまで臨床使用による有害事象は発生していない。4DSTの腫瘍への取り込み速度は臨床的悪性度(増殖速度)との相関が高いことが明らかになった。また、神経膠腫の悪性度の判定には既存の分子イメージング薬よりも精度が高いことが明らかになった。また、また化学療法、放射線療法に対しての治療効果が鋭敏にかつ早期に判定できることを示す計測例が得られている。一方で、種類を異にする腫瘍間(神経膠腫、転移性腫瘍、良性腫瘍)では、定性的な取り込み率のみでの一律な比較は難しい結果も得つつある。 動物用PETを用いた基礎研究として慢性期炎症と腫瘍の鑑別に関する論文が出版された。これまでのPETによる代謝診断薬に較べると4DSTが血流や血管床の変化には影響を受けづらく増殖しつつと考えられる。臨床計測例でも炎症と腫瘍の鑑別において既存診断薬以上の精度がある事を示す計測例が蓄積されている。 これらの結果を踏まえ、次年度では、多くの種類の腫瘍の動態計測を継続することが必要であると考えている。治療効果判定に関するデーター集積を計画的に行う事も必要である都考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に本研究費を用いた臨床計測を継続し臨床データーを蓄積している。研究参加施設が増え他施設での成果を交換しながらの全国規模の共同研究に発展しつつある。基礎実験の成果も発表され本手法の有用性を指示する基礎的データも蓄積された。 ただし、現状では4DSTを用いての臨床計測は依然と研究段階での使用であるため臨床計測の継続のためにはPET計測費用の研究費からの支出とボランティア-患者に対する計測を行うために謝金の支払い等のための研究費取得の継続が本臨床研究の継続のために必須であるため、積極的な成果の発信を、論文、著書、国際学会にて行い認知を受けることが必須であるため、成果の発信を今以上に継続して行う必要があると考えている。。
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今後の研究の推進方策 |
臨床計測を本研究費の使用のもとに継続する。他種類の脳腫瘍患者において研究協力を呼びかけ良性脳腫瘍を含んだ計測を計画的に行い、本計測法が適用できる対象疾患に関しての情報を早期に得ることを目的とそる。 基礎研究で急性期と慢性期の炎症実験結果が出版されたことを踏まえ、多発性硬化症と神経膠腫との鑑別が問題となる患者の計測を積極的に行う。また当教室における悪性神経膠腫の治療耐性の克服に向けての基礎研究が開始されたことを受けて新規治療の効果および耐性の判定を4DSTを用いて行えるような実験計画を開始する。東京都健康長寿医療センター研究所のマイクロPET実験に当教室の大学院生が参加出来るよう訓練を行う。また、この基礎実験計画を踏まえ、治療耐性の評価に関する4DST計測の精度を確認するための計画的治療を行う。粒子線治療と既存の放射線治療との治療後のDNA合成能の変化に関する計測は是非本年度には行いたい。 また、臨床計測の継続のためにはPET計測費用の研究費からの支出が本臨床研究の継続のために必須であるため、積極的な成果の発信を、論文、著書、国際学会にて成果の発信を今以上に継続して行い成果の認知を受けることが必要と考えている。
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