研究課題
ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を用いて、意図通りに微細な手指の運動や自由な意思疎通を可能にすることを目的とする。そのために、 mirror neuron system(MNS)等に関わる生理学的特徴量を調べるとともに、ヒトの筋骨格機構を有するロボットアームを用いて、運動制御に有用な機械的パラメータを探索し、BMIに応用する。H24年度の成果を以下に示す。①皮質脳波、3次元モーション同時計測データを用いた3次元運動軌跡の解析:上肢運動施行時の皮質脳波と3次元モーション同時計測データをdecodingして上肢の3次元運動軌跡を皮質脳波から推定することに成功した。結果英文誌に投稿中である。②単回脳磁計測による運動内容推定:運動内容推定に大脳皮質の領域や生理学的特徴量が時間的にどう関与するかを調べるため、健常被験者9名を対象として三種類の上肢動作時の脳磁計測を行い、運動関連脳磁界強度や運動関連脱同期反応を特徴量としてサポートベクターマシンを用いて、運動もしくは運動想起一回毎の脳磁データを神経解読した。その結果、頭頂部で計測される運動開始直後の運動誘発磁界強度が有意に高い運動内容推定精度を示した。成果の一部を英文誌Brain researchに発表した。③大脳領野間ネットワークの解析:Granger causality analysisを導入し、運動時の領野間ネットワークの描出を進めている。④ヒトと同じ上肢筋骨格機構を有するロボットアームの開発:ヒトの上肢筋骨格機構を有するロボットアームの導入を工学系研究科との連携により進めている。⑤脳磁計測によるMNSの脳内処理メカニズムの解明:指タッピング模倣時の脳磁計測により、MNS領野にα~low γ帯域の脱同期反応が描出され、その時間的推移を調べることによりMNSの脳内処理過程のモデルを提案した。現在論文投稿準備中である。
2: おおむね順調に進展している
mirror neuron systemの脳内処理過程をヒトで明らかにすることができた。また単回の運動関連脳磁界から運動内容推定に有用なパラメータを明らかにして英語論文2本発表できた。上肢運動施行時の皮質脳波と3次元モーション同時計測データをdecodingして上肢の3次元運動軌跡を皮質脳波から推定することに成功した。ALS患者1例に高密度電極を用いた皮質脳波計測を施行した。これらから当初の計画どおり進展していると判断する。
今後も当初の計画に沿って研究を推進する。来年度はmirror neuron systemの脳内処理過程、上肢の3次元運動軌跡を皮質脳波から推定の論文化を目指す。高密度電極を用いた皮質脳波計測も引き続き実施していく。
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