研究課題
脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation;DBS)は、現時点で、我々脳神経外科医がパーキンソン病患者さんのADL向上に貢献できる外科的介入手段である。しかし、その適応にあてはまらず、長い闘病期間と共に症状が進行し、日常生活がままならない患者さんが多数存在するのも事実である。また、DBS導入後の長期経過が判明するにつれて、DBSの限界というものも見えてきた。本研究ではパーキンソン病に対するpost-DBS時代を見据えた新時代のカプセル化幹細胞移植とはどうあるべきか検討することを目的としている。平成23年度は、カプセルから効率よく目的の栄養因子を分泌させるためには、カプセルに封入する細胞の生存効率を上げる必要があると考え、神経幹細胞をGDNFでpre-treatmentを行って移植した場合に生存効率が上がるかどうかをin vitro,in vivoにて検討を行った。in vitroではGDNFでpre-treatmentを行った後、OGD負荷をかけたところ、アポトーシス細胞数の有意な減少を認めた。また、medial for ebrain bundleに6-OHDAを投与してパーキンソン病モデルラットを作成しGDNFpre-treatmentを行ったNSCを移植したところ、移植された細胞の生存は、有意に良好であった。このin vivoの結論をin vitroのデータと併せて考察すると、GDNFによるpre-treatmentはアポトーシスを抑制することでNSCの生存効率の向上をもたらすものと考えられた。そしてその結果を英文誌上にて発表した。
2: おおむね順調に進展している
GDNFによるpre-treatmentが神経幹細胞の生存に有用であることを証明することができたため。さらにこの事実はカプセル化神経幹細胞の実験にも応用できると考えられるため。
平成24年度は京都大学との共同研究でhuman iPS細胞からドーパミン神経を作成して、これをマイクロカプセル化し、パーキンソン病モデルラットへの移植を予定している。従来我々が行ってきたように、行動学的評価、組織学的評価に加えて、長期にわたりカプセル化されたドーパミン神経からドーパミンが効果的に分泌されているか確認の予定である。
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