研究課題/領域番号 |
23390350
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗栖 薫 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
|
研究分担者 |
富永 篤 広島大学, 病院, 講師 (60274049)
弓削 類 広島大学, 保健学研究科, 教授 (20263676)
濱 聖司 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 研究員 (40397980)
西本 武史 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 研究員 (40450580)
|
キーワード | 微小重力環境 / 下垂体腫瘍 / 幹細胞 / primary culture / 下垂体ホルモン |
研究概要 |
本年度の目標として、下垂体幹細胞の手法の確立がある。そこで、ラット培養細胞を無血清培地で培養してみた。すると細胞塊(sphere)は形成され、ホルモン産生能の低下を示した。しかし、他のホルモン産生細胞への分化はされなかった。つぎに3Dクリノスタットを用いた微小重力環境(0G)下と通常の環境(1G)で培養した下垂体細胞(ラット下垂体腺腫培養細胞GH3、ATt-20)が、生物学的に変化するかどうかについて、検討した。すると、ホルモン産生能や細胞分裂能において、有意な差を認めなかった。そこで、現在、細胞濃度や微小重力環境の期間を調整するなどの再検討をおこなっているところである。 同時に下垂体腺腫の手術摘出組織から下垂体幹細胞の培養手法の確立を目指している。良性腫瘍である下垂体腺腫はprimary cultureが一般的に難しいとされているが、現在、効率的な細胞の解離・回収が可能となり、pirmary cultureの手技が確立されつつある。 また、下垂体の分化過程に関係あるとされるLIF(leukemia inhibitor factor)のヒト下垂体における役割を検討した。するとLIFによりプロラクチンの産生が抑制されていることがわかり、非機能性下垂体腺腫における高プロラクチン血症は、LIFが関与している可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
浮遊系細胞である下垂体腺腫細胞の効率的な分離培養が接着系細胞と比べ、技術的に困難な点があるため。
|
今後の研究の推進方策 |
幹細胞の分離をCell lineを用いた培養と手術摘出組織からprimary cultureを継代した系の両面から行う。微小重力環境をもちいて、効率的な幹細胞の採取をおこない、FACS(Fluorescence-activated cell sorting)をもちいたソーティングをおこなう。
|