研究課題/領域番号 |
23390350
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗栖 薫 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (70201473)
|
研究分担者 |
弓削 類 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (20263676)
濱 聖司 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 研究員 (40397980)
富永 篤 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (60274049)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 下垂体腺腫 / primary culture |
研究概要 |
手術により摘出された下垂体腺腫組織には、多数の赤血球が混在しており、解離処理後には赤血球の除去操作が必要となる。当初は、この除去操作を行わず培養を開始しており、赤血球と下垂体腺腫細胞が混在した状態であった。研究途中で、血球除去操作を加えることとし、in vitroでの下垂体腺腫細胞1個あたりの正確なホルモン分泌能を測定することが可能となった。過去の報告を参考にし、適切な培養条件を検討したところ、下垂体腺腫からのホルモン分泌は経時的に減弱することが判明し、数時間の培養が適切であることが判明した。 現在、手術による摘出症例を積み重ねており、50例以上を目標にサンプルを確保している。サンプルはすべて、解離処理後に凍結保存したのちに、すべてのサンプルを同時に測定することで、サンプル間の誤差を少なくすることが可能となった。さらに、下垂体腺腫の多系統にわたるホルモン分泌能を詳細に評価し、臨床データとあわせて解析を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H25年度に下垂体腺腫幹細胞の分離・培養方法の開発を試みたが、その過程で下垂体腺腫は悪性脳腫瘍における腫瘍幹細胞とは異なり、腫瘍幹細胞の性質を多数の細胞で持ちあわている可能性が示唆され、分離培養が困難となっている。
|
今後の研究の推進方策 |
さらに下垂体腺腫症例を追加し、下垂体腺腫の多系統にわたるホルモン分泌能を詳細に検討する。合わせてフローサイトメトリーを用いて、幹細胞マーカーの解析をおこない、ホルモン分泌能と幹細胞マーカーの発現量との相関を検討する。また、下垂体腺腫における多系統のホルモン分泌能が、腫瘍の性状、浸潤度と関連があるかを検討する。
|