研究課題
Notchシグナルは隣接細胞間でシグナルを伝達する機構であり、隣接する細胞表面に存在するリガンド(Dll1, 3, 4, Jag1, 2)が受容体(Notch1-4)に結合するとAdam10やγセクレターゼにより受容体が切断され、その細胞内ドメイン(ICD)が核内移行して転写抑制因子Rbpjと結合し、転写促進複合体としてHes/Heyなどの標的転写因子を誘導する、という経路が広く知られている。我々は前年度までにNotch1, 2がマウス胎児の四肢軟骨細胞に広く発現し、それらのICDが肥大軟骨層で核内移行すること、培養軟骨細胞にてNotch1-ICDがMmp13などの肥大軟骨マーカーを強く誘導することを突き止め、さらにRbpj-floxマウスを用いたin vivoの解析を行ったところ、軟骨前駆細胞でのノックアウトにより肥大層の延長を伴う成長障害が確認された。同様にNotch1,2はマウス・ヒト関節軟骨細胞にも発現し、軟骨変性に伴ってICDが核内移行していたことから、タモキシフェン誘導性軟骨特異的Creマウスを用いて成長後にRbpjをノックアウトして変形性関節症(OA)モデルを作成したところ、OAの進行は抑制されMmp13などの発現も抑制された。さらにγセクレターゼ阻害剤のマウス膝関節内投与でも同様にOAの進行や変性マーカーの発現は抑制された。さらにその制御機構の詳細を調べるため、Notchシグナルの転写標的として軟骨細胞で唯一豊富に誘導されるHes1に注目し、Hes1-floxマウスを用いて同様の解析を行ったところ、成長障害は見られなかったがOAの進行は抑制された。Hes1に対してクロマチン免疫沈降法にて、複数のcatabolic factorを同定し、さらにHes1が転写促進に作用する際の共役分子も同定した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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