研究課題
カフェインは細胞周期のチェックポイントを阻害することにより抗癌剤で処理した細胞のDNA修復を阻害し、アポトーシスを誘導すると考えられている。今回、我々は細胞周期によって緑と赤に色が変わるFucciを導入した細胞を用いて細胞周期を観察した。代表的な抗癌剤であるシスプラチンは細胞周期をS/G2/M期で停止させたが、カフェインはシスプラチンによる細胞周期の停止を抑制し、結果として細胞のアポトーシスを誘導した。カフェインと同様にカカオに含まれるメチルキサンチン誘導体としてテオブロミンがあげられる。今回、新規抗がん剤の増強剤として、テオブロミンの腫瘍細胞に対する作用についても検討した。U87-MG細胞において、テオブロミンはcAMP上昇、p38、JNKを活性化、Akt、mTOR、NFκBを不活性化させた。テオブロミンは濃度依存的にU87-MG細胞の増殖を抑制した。以上のことから、カフェインと同様にテオブロミンも抗腫瘍作用があることが分かった。ヒト骨肉腫cell line 143B の、核にGFP・細胞質にRFPが発現した2色の蛍光を有する143B-dual、およびin vivoでの継代を繰り返すことで得られた転移能の異なるsub lineを使用し実験を行った。ELIZA法で各cell lineの培養液上清に分泌された線溶関連因子Plasminogen Activator Inhibitor-1(PAI-1)、urokinase-type plasminogen activator(u-PA)の濃度を測定し、転移能が上昇するにつれてPAI-1・u-PAの濃度が上昇していたことより、これらをブロックすることで転移の制御ができる可能性が考えられた。shRNAによるブロックより、中和抗体による方法が良いことが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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