研究課題/領域番号 |
23390361
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
須藤 啓広 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60196904)
|
研究分担者 |
松峯 昭彦 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00335118)
長谷川 正裕 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (40308664)
若林 弘樹 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (50362687)
明田 浩司 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (20422826)
西村 明展 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10508526)
|
キーワード | 疫学調査 / 要介護認定 / 遺伝子 / 骨粗鬆症 / 変形性膝関節症 / 変形性脊椎症 / 運動器不安定症 / 住民検診 |
研究概要 |
平成23年11月・12月に第8回旧宮川村住民検診を行った。週末を5日間利用して検診を行い、65歳以上高齢者223名の参加が得られた。問診、単純X線、骨密度、身体所見、身体測定、運動機能などの基本データはほぼ全例で得られた。これらのデータをFileMaker ProおよびExcelに入力し、過去7回のデータに加え、データベース化している。また、単純X線などのデータもJPEGファイルに変換し、データ保存している段階である。 遺伝子検体については新たに38名の検体が追加され、共同研究施設である理化学研究所ゲノム医科学研究センター骨関節疾患研究チームに送付し、現在、これらの検診者の基礎情報を送付し、同研究所にて骨粗鬆症、変形性脊椎症の発症や変形性膝関節症の進行に関与する遺伝子の解析を行う予定である。 運動器不安定症と基礎疾患の関連については、検診を行う報徳病院および時間の都合上、3m timed up and go testを行うことができなかった。このため、全例で検査することができた開眼片脚立位時間を用いて運動器不安定症の有無について評価を行い、他の運動機能検査である歩行訓練や骨粗鬆症、腰椎圧迫骨折(胸腰椎側面X線を利用)、大腿骨近位部骨折(股関節X線を利用)との関連性を次年度で解析していく予定である。 報徳病院などの協力を得て、第7回までの検診を受診した検診者の要介護認定の追跡調査を終了した。1239名中787名が追跡可能であり、そのうち40名が初回検診時にすでに介護認定を受けているか介護保険開始時ただちに介護認定を受けていた。残りの747名は平均8.0年の追跡で280名(37.4%)が介護認定を受けていた。変形性膝関節症(KOA)と骨粗鬆症(OP)との関連を調べると、初回検診時にKOA、OPを有する群は平均8.0年で要介護になる確率がKOA、OPを有さない群に比べ、それぞれ1.88倍、2.02倍高く、両方有する群は2.64倍高いことが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、第8回旧宮川村検診を終了し、各種データをほぼ全例で収集することができた。ただ、過去の実績からは300名以上の参加が見込まれたが、今回は223名と予定より少ない参加者であった。
|
今後の研究の推進方策 |
今回得られた第8回旧宮川村検診のデータを過去7回のデータと統合し、解析を行う予定である。遺伝子については理化学研究所ゲノム医科学研究センター骨関節疾患研究チームと共同で研究を進める予定である。 今回行った検診の問題点として運動器不安定症の評価基準の一つである3m timed up and go testを行うことができなかったが、もう一つの評価基準である開眼片脚立位時間を計測しているため、これをもとに運動器不安定症を定義して解析していく予定である。
|