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2011 年度 実績報告書

膝前十字靭帯再建術における血管幹細胞応用の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 23390365
研究種目

基盤研究(B)

研究機関神戸大学

研究代表者

黒坂 昌弘  神戸大学, 医学研究科, 教授 (70170115)

研究分担者 黒田 良祐  神戸大学, 医学研究科, 准教授 (80379362)
久保 晴司  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30452494)
松下 雄彦  神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (40467650)
松本 知之  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50546588)
キーワード前十字靭帯損傷 / 幹細胞 / CD34陽性細胞 / 前十字靭帯再建術 / 細胞シート / 損傷部組織
研究概要

当該年度、平成24年度における研究の目的は、膝前十字靭帯(ACL)損傷組織における細胞群の幹細胞の特性を詳細に解析・確認し、すでに確立され予備実験済みであるラット、イヌの動物ACL再建モデルを用いてその有効性を確認することで前臨床試験とすることであった。そのうち、当該年度においては、(1)ラット、(2)イヌの動物ACL再建モデルを用いてその有効性を確認した。
(1)ヒトACL由来CD34陽性(A-CD34+)細胞を用いて細胞シートを作成し、ヌードラットACL再建モデルに対して細胞シートを被覆した自家移植腱を移植し、その効果を検討した。A-CD34+細胞群は対照群に比較して、免疫染色による骨孔及び移植腱部における評価、宿主由来の微小血管密度、骨芽細胞密度の定量評価、移植細胞の血管・骨への分化定量評価、引っ張り試験による機能的評価で、より高い骨・移植腱治癒を示した。(2)損傷部組織を併用したACL再建術における骨-腱間結合治癒能を大動物自家移植モデルにより評価した。ビーグル成犬20頭にACL損傷を作成し、3日後に損傷部組織を採取して自家浅趾屈筋腱を用いたACL再建モデルに移植し、その骨-腱間結合治癒能を組織学的、力学的評価に加えCTによる骨孔定量評価を行った。組織学的評価、CTによる骨孔定量評価、力学的引張試験において、対照群と比較してより高い骨・移植腱治癒を示した。
これまでACL損傷部にCD34陽性細胞が集積し、またこれらの細胞群は高い増殖能・多分化能を備えていることを示しており、当該年度の結果と併せて、CD34陽性細胞そのものを細胞シートで用いるACL再建術の有効性、またCD34陽性細胞を豊富に含む損傷部組織を併用したACL再建術の有効性が前臨床試験的に確認された。特に後者の治療法は細胞分離・培養等の過程も必要なく従来通りの一回の関節鏡手術で完結でき、かつ効果的な治療法として新たな戦略となりうる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度における研究の目的は達成できており、次年度の目的に関しても順調に研究がすすんでいるため。

今後の研究の推進方策

次年度は、膝前十字靭帯(ACL)損傷組織における細胞群の幹細胞の特性を詳細に解析・確認することを第一の目的とする。並行して、最終年度にかけて損傷部組織併用ACL再建術の安全性。有効性にかんるる臨床試験を開始する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Isolation and Characterization of Anterior Cruciate Ligament Derived Stem Cells2011

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Matsumoto
    • 雑誌名

      Stem Cells and Development

      巻: (Epub)(Epub ahead of print)

    • 査読あり
  • [学会発表] 膝前十字靭帯再建術における損傷部靭帯組織併用療法の可能性2011

    • 著者名/発表者名
      松本知之
    • 学会等名
      第26回日本整形外科基礎学術集会
    • 発表場所
      群馬県民会館(群馬県)
    • 年月日
      2011-10-21
  • [学会発表] 膝前十字靭帯由来CD34陽性細胞シート被覆移植腱を用いた膝前十字靭帯再建術2011

    • 著者名/発表者名
      美舩泰
    • 学会等名
      第26回日本整形外科基礎学術集会
    • 発表場所
      群馬県民会館(群馬県)
    • 年月日
      2011-10-21

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公開日: 2013-06-26  

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