研究概要 |
(1)ストレスによる転写因子解析 アグリカナーゼ誘導性が確認されているヒト軟骨肉腫由来細胞株(OUMS-27)、ヒト軟骨細胞およびラット新生児軟骨細胞を用いた。まず、サイトカインとメカニカルという二つの刺激系で転写因子を検討した。 (i)サイトカイン刺激:インターロイキン-1(IL-1)および腫瘍壊死因子(TNF-α)添加刺激を行った。 ADAMTS1,4,5,9の発現を検討した。また、この際にHIF-1αは発現量に大きな変化がないものの、HIF-2αは6時間後にピークを持って発現増加していることを見出した。 (ii)メカニカルストレス刺激:培養細胞伸展システム(ストレックス社製ST-140)を用いて、軟骨細胞に様々な伸展刺激を加えた。10%進展刺激でMMP-13、ADAMTS4,ADAMTS5,ADAMTS9の発現変化を検討した。次に0.5Hz5%刺激では、RUNX2とADAMTS5の発現変化を検討した。予想に反してRUNX2があまり変動せず、刺激後0、0.5、1、3時間後まで経過を検討したが有意な変動は見られなかった。 (iii)サイトカインとメカニカルストレスの同時刺激:上記のシステムを併用した、同時刺激の実験系を確立し、ADAMTSの発現を検討した。興味深いことにメカニカルストレスが加わると、サイトカインによって誘導されたADAMTSの発現が抑制されていた。 (2)OA発症早期における転写因子の標的活性化 ラット前十字靭帯、内側側副靭帯切離、内側半月板切除によるOAモデルを作成した。関節を摘出しサフラニン0染色を行った。 連携協力者として以下の者が参加した。 岡山大学・医学部大月孝志 岡山大学・大学病院小川弘子
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