研究課題/領域番号 |
23390368
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
今村 健志 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70264421)
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キーワード | バイオテクノロジー / シグナル伝達 / 遺伝子 / タンパク質 / 細胞・組織 |
研究概要 |
本研究課題では、骨リモデリングにおける骨吸収から骨形成へのカップリングの分子メカニズムを明らかにする目的で、生きているマウスの中で、骨芽細胞と破骨細胞の細胞動態、細胞分化とアポトーシスを可視化できる蛍光イメージングシステムを開発する。特に、in vivo蛍光実体顕微鏡を用いて、マウスが生きている状態で骨リモデリングにおける骨芽細胞と破骨細胞の細胞分化とアポトーシスの時空間的相互作用を明らかにし、in vitroとin vivoで、遺伝子導入や各種薬剤投与をおこない、骨リモデリングにおけるカップリングに関わる分子の相互作用を明らかにするとともに、骨代謝疾患の病態解明、治療法開発のための基礎的知見を得ることを目的とする。本年度は、骨芽細胞と破骨細胞の細胞分化を可視化するマウスの作製に着手した。さらに、マウスから骨芽細胞と破骨細胞を樹立する手法を研究室で確立した。具体的には、骨芽細胞はマウスのカルバリアから骨芽細胞を分離・培養、破骨細胞は、脾臓または骨髄から破骨細胞前駆細胞を分離、M-CSFとRANKLの存在下で培養する手法が確立した。さらに破骨細胞に関しては、骨芽細胞と共存培養する系で分化させることもおこなった。それぞれの細胞に薬剤投与や薬剤・血清の除去をおこない、人為的にアポトーシスを誘導し、タイムラプス蛍光観察をおこなう基礎実験を開始した。アポトーシスを可視化するマウスについては、全身でSCAT31を発現するトランスジェニックマウスのコロニーを増やし、in vitroおよびin vivo実験の準備を完了した。骨折モデル、骨粗鬆症モデル、骨転移モデルおよびBMPによる骨再生モデルの導入については、RANKL投与実験の基礎実験が終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析に必要な遺伝子改変マウスの準備およびモデル系の確立はおおむね順調に進んでいる。さらに薬剤投与の基礎実験も計画通り進んできる。また、生体イメージングの条件設定も終了している。
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今後の研究の推進方策 |
骨芽細胞と破骨細胞の分化をイメージングするためのCol1-redトランスジェニックマウス、OC-redトランスジェニックマウス、CatK-redトランスジェニックマウスの作製においては、発現レベルを確保するために、それぞれの分化マーカーでCreが発現されるマウスを準備し、CreによってmCherryの発現が誘導されるマウスとの掛け合わせも平行しておこなう。
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