研究課題
これまで有効な治療法がなかった外傷後の神経障害性痛に対する新しい外科的治療法を開発することを目的とした。外科的な神経再生術は、運動機能の改善と痛みの緩和を目的として行うが、高い手術技術だけでなく、適切な診断が重要である。本研究では、こういった手術を神経障害性痛症例に行う根拠となる動物実験、すなわち脊髄後角で一度起きた中枢性の変化が末梢を改善することによって再び治る可塑性を有する事を世界に先駆けて確認することをめざした。ここで末梢神経を再生治癒させるのに用いているin situ Tissue Engineeringの手法は、生体の組織を培養室のシャーレの中ではなく体内で再生する我々が開発した新しい組織工学の手法である。すなわち体内に組織再生の"場"を作り出し、生体が分泌する増殖因子や誘走してくる幹細胞などを動員して組織を構築する。神経障害性痛とりわけCRPS-II型に分類されるmajor Nerveの損傷を伴う複合神経因性疼痛に対しては、局所の処置を行うとVicious Cycle(悪循環)を引き起こし症状が悪化する。ところが難治性のCRST-II患者に対して局所の末梢神経損傷部を切除し人工神経を用いて再生回復させると、驚くべき事に9割近い患者でgood&excellentの回復が見られることが判明している。この方法は世界に先駆けて我々のグループが開発したもので、世界的に注目を集めているが本研究ではこの局所の再生治癒がカウザルギーを消退させるメカニズムを動物実験によって病理学的、生理学的に解明する。本年度にした人工神経の作製については予定通り行なえたが、疼痛動物モデルの作製には手間どっている。それは疼痛を生じる末梢神経を絞把作製させるに際して一定の絞把を行なうことが難しいためで、これが次年度への課題として残された。
2: おおむね順調に進展している
大型実験動物モデル作製以外の点に関してはおおむね、実験申請書に記載した通りに進展している。
動物実験モデルにおける絞把の定量化が研究の遂行に問題点として明らかになった。
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