研究課題
1. 培養肺胞II型上皮細胞気管内投与による投与細胞の動態― これまでの研究成果からKGF投与後2~3日目に最大の増殖能を示し 、イオン輸送能もそれと相関した。 2.Ethyl pyruvate (EP)による肺炎症抑制機序の解明―培養細胞を用いてEPのNF-kBに対する抑制効果を検索した。細胞をTNF-αで刺 激すると、NF-kBが活性化されるが、この作用がEPで濃度依存性に抑制された。この作用は、NF-kBのsubunitsのRelAやp50の核内移行 を抑制し、DNA結合能を抑制することによることが示唆された。EPはNF-kBシグナル経路の活性化を引き起こす炎症や傷害を抑制するこ とが示唆された。 3.肺傷害が進行すると、肺線維化が起こり重篤な呼吸不全に陥る。肺の線維化を如何に防ぐかが重要である。サイトカインのTGF-β 1は肺線維芽細胞増殖を起こし、線維化を促進させる。細菌の鞭毛抽出物flagellinにepidermal-mesenchymal transition(EMT)促進作 用があり、肺胞上皮細胞の線維化を起こす作用が示唆され、細菌性肺炎の線維化の一つの機序が示唆された。 4.炎症に関与するサイトカインTNF-αは、p38MAP kinase系を活性化し上皮成長因子受容体(EGFR)のSer1047のリン酸化を引き起こ す。レジオネラは鞭毛を有しその構成蛋白のFlagellinはToll-like receptor-5 (TLR5)を刺激する、肺胞上皮細胞のp38MAP kinaseが 活性化されること、EMTが促進されることが示され、FlagellinによりSer1047がリン酸化されることが示された。今後、炎症における このリン酸化の病態生理学的意義を検索する。5. FlagellinとTGF-b1刺激による遺伝子発現の変化をマイクロアレイ法で検索し、flagellinによりfibronectinが増加し、E-cadherinが減少した。従ってflagellinによるEMT様変化はこれらにより誘導されること、そして線維化が促進されることが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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