研究課題
癌治療遺伝子REIC/Dkk-3を用いた固形癌に対するin-situ遺伝子治療では、「癌細胞の選択的アポトーシス」と「抗癌免疫の活性化」による相乗的効果増強作用(自己癌ワクチン化)を誘導し、原発巣のみならず転移巣に対しても顕著な治療効果を示すことが担癌マウスモデルで示されている。我々の研究においてREICタンパク質が骨髄系免疫抑制細胞(MDSC: myeloid-derived suppresser cell)の分化を強力に抑制する機能を有することが明らかとなった為、本年度はこの点にフォーカスしてREIC/Dkk-3ノックアウトマウスの骨髄細胞等を用いて、各種条件下でのMDSC分化誘導に関する研究を遂行した。また昨年度までに、癌抗原としてのタンパク質マーカーを発現する癌細胞を移植する担癌マウスモデル実験系を樹立した。本年度は、我々が新たに作成した癌特異的ウイルス剤としてのAd-REICを腫瘍内投与した場合の、癌ワクチン化療法としての免疫学的な解析を実施した。当該Ad-REIC剤投与群の担癌マウスにおいては、コントロール群と比べて有意な腫瘍増殖抑制効果が認められ、さらに設定した癌抗原に特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の出現が治療部位である腫瘍内において確認された。これらの結果により、Ad-REIC剤投与により産生されたREICタンパク質によるMDSCの分化抑制作用が、MDSCの血中および腫瘍内での出現抑制に寄与している可能性が改めて示された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Oncology Letters
巻: 7 ページ: 595-601
Oncology Reports
巻: 31 ページ: 1089-95
10.3892/or.2013.2958.