研究課題/領域番号 |
23390388
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
杉原 一廣 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00265878)
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研究分担者 |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
田村 直顕 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90402370)
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (70263085)
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キーワード | 産婦人科学 / DDS型分子標的治療薬 |
研究実績の概要 |
子宮内膜症は再生産年齢の約10%に発症し、患者さんのQOLを障害する。主病巣は卵巣と骨盤内の腹膜であり、治療はホルモン療法を主体とし、腹腔鏡を用いた外科的治療も行われている。 抗腫瘍薬の研究・開発分野では、細胞表面特異的マーカーが同定され抗腫瘍薬剤を悪性腫瘍へ運搬する方法(DDS : Drug Delivery System)が開発されている。近年、われわれのグループが子宮内膜症細胞表面に特異的に結合するアミノ酸9個のペプチドをPeptide Displaying Phage Technologyを駆使して同定した(米国・日本特許出願2008)。このペプチドに細胞障害性薬剤を結合させて、子宮内膜症に対する新規DDS型分子標的治療薬の実用化を目ざし研究・開発を進めている。これまでの検討より、Z13を用いて、細胞障害性の薬剤を子宮内膜症へ効率的に送り込むDDSが開発可能である。そこで、ミトコンドリア膜を破壊しアポトーシスを誘導する[KLAKLAK]_2とZ13を結合して[KLAKLAK]_2-Z13を作製した。しかしながら、[KLAKLAK]_2-Z13はエンドソームに局在し、ミトコンドリアに達せず子宮内膜細胞に傷害を与えなかった。解決策として、酸性条件でエンドソームの膜を不安定にするヒスチジン(H)を数個つなげたペプチドを採用した。本年度では、[KLAKLAK]_2-H_n-Z13を合成して子宮内膜細胞の培地に添加するとアポトーシスを誘導する条件の検討を行った。Hの数(n)により薬剤の効果が様々であり、将来、商品化することを踏まえて、至適条件(nをいくつにするか)の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、将来の目標である実用化へ向けて、薬剤の至適構造と条件の検討がおおむね順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、Hn:n=4~14、それぞれのタイプの合成と検討を進める。
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