研究課題/領域番号 |
23390392
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
加藤 聖子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10253527)
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研究分担者 |
加藤 和則 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (60233780)
竹澤 俊明 独立行政法人農業生物資源研究所, 研究員 (50301297)
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キーワード | 子宮体癌 / 子宮内膜 / 幹細胞 / 分子標的治療 / 発癌 |
研究概要 |
1.まず、子宮体癌細胞株Hecl細胞、Ishikawa細胞、SNGM細胞、ラット子宮内膜細胞RENT4に活性化型K-Rasを形質導入し造腫瘍能を獲得したRK12V細胞のside-population(SP)細胞の出現率を解析したところ、Hec1細胞,RK12V細胞にSP細胞が安定的にみとめられた。 2.このRK12V-SP細胞は、以前我々が報告したHecl-SP細胞と同様にnonSP細胞に比べ分化マーカーの発現の低下・自己複製能・長期増殖能の性質を示した。また、SP細胞はnonSP細胞に比べ造腫瘍能が著明に亢進しており、間質に富む腫瘍を形成した。 3.RK12V-SP細胞とRK12V-NSP細胞の間でマイクロアレイ解析を行ったところ、RK12V-SP細胞においてepithelial-mesenchymal trasition(EMT)に関与する遺伝子群をはじめ、複数の増殖因子、サイトカインの遺伝子の発現増加がみとめられ、幹細胞の増殖制御にはEMTをはじめ、複数のシグナルの関与が示唆された。 4.そこで、複数の作用機序を持つヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(以下HDAC阻害剤)sodium butyrate(以下NaB)の効果を解析した。 5.NaB添加により、RK12V-SP細胞の増殖や軟寒天培地上のコロニー形成能を有意に抑制された。また非添加時に比べγH2AX,リン酸化p38MAPK,p21,p27の発現が亢進した。この変化はnonSP細胞よりSP細胞で有意であった。 以上より、HDAC阻害剤は癌幹細胞の標的治療薬の候補として有用であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子宮体癌幹細胞を標的とした新規治療法を開発するために、標的とするシグナル分子やその経路の候補がリストアップできた。 また、複数のシグナル経路を抑制するHDAC阻害剤は癌幹細胞の標的治療薬の候補として有用であることが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
1.癌幹細胞の性質と深く関与するEMTを抑制する薬剤の効果を検討する。 2.SP細胞出現の低かった子宮体癌細胞株のSP細胞出現率を上げる遺伝子や刺激を同定し、幹細胞形質獲得に重要なシグナルを同定する。
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