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2012 年度 実績報告書

網膜下瘢痕病巣形成メカニズム解明とその治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23390402
研究機関山口大学

研究代表者

園田 康平  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10294943)

研究分担者 原 博満  佐賀大学, 医学部, 准教授 (20392079)
吉田 裕樹  佐賀大学, 医学部, 教授 (40260715)
森重 直行  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40346565)
武田 篤信  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40560313)
木村 和博  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60335255)
高 知愛  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (70314797)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード自然免疫 / 線維瘢痕化 / マクロファージ / IL-27 / 加齢黄斑変性
研究概要

まず我々が別施設で確立した方法に従ってマウスを用いた網膜線維瘢痕化モデルの立ち上げを行った。これは顕微鏡で直視しながらマウス網膜下に、経強膜的に32G針を刺入し、網膜下に同系チオグリコレート誘導活性化型マクロファージを注入するものである。当初マウス眼球操作の備品を揃えることと、手技の安定に時間がかかると考えたが、予想以上に早く安定した結果を得ることができた。また眼内コラーゲン定量化もハイドロキシプロリン測定により実現でき、より客観的に線維瘢痕化を評価できるようになった。
作成した疾患モデルにおいて、自然免疫細胞群(マクロファージ・好中球・primitive T細胞)カイネテクスをフローサイトメトリーで解析した。顕微鏡下で網膜下組織を分離し、コラゲナーゼ(typeIV)処理することで、効率的に浸潤細胞を単離することができた。フローサイトメトリー解析により、浸潤細胞は、60%マクロファージ、20%色素上皮細胞(浸潤または局所増殖したもの)であることが判明した。抽出液を用いたBioPlexを用いた網羅的タンパクビーズアレイ解析により、局所でTNFa, IL-6, MCP-1, MIP-2が上昇していることが示された。これらはいずれも獲得免疫系よりは自然免疫系細胞に作用する液性因子であり、線維瘢痕反応にリンパ球よりは自然免疫細胞群が関与することが立証された。同時にIL-27産生も上昇していたが、IL-27の炎症反応枝の関与は2面性が報告されているため、今後IL-27のレセプターであるWSX-1分子欠損マウスを用いて、網膜下線維瘢痕反応がどのように修飾されるかを見極めた上で次の解析に移りたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスモデルの解析方法(ハイドロキシプロリンアッセイ)が順調に機能しているため、おおむね順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

IL-27のレセプターであるWSX-1分子欠損マウスにおける、網膜下線維瘢痕反応の結果次第で方向性を決める必要がある。IL-27は炎症のフェーズによって、炎症抑制と促進の両方に作用しうるサイトカインであるからである。

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公開日: 2014-07-24  

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