研究課題
基盤研究(B)
(1)リンパ管細静脈吻合(Lymphatico-Venous Anastomoisis/LVA)による根治的治療法確立を目指し、対症療法である保存療法(圧迫療法・リンパドレナージ療法)との比較検討を行っている。吻合術前後でストッキングによる圧迫療法を行って比較検討した結果、吻合術は理学療養よりも優れていることが分かった。手術と圧迫治療を併用すると圧迫または手術のみの単独治療に比べ有効性が高い。(2)ICG(インドシアニングリーン)蛍光リンパ管造影法の開発によりリンパシンチと同様なリンパ流の質的評価が可能な検査法として用いらるようになった。ICG蛍光リンパ管造影でStardustを認める症例は浮腫の重症リスクが高いと考えられるため、当科では圧迫療法に加えLVAの治療適応と判断することが多い。しかし、1回のICG蛍光リンパ管造影のみで治療適応を判断するのが難しい症例もあり、経過をフォローすることが大切である。(3)リンパ浮腫の病態解明も現在進めている。浮腫動物モデルやリンパ浮腫患者からの皮膚生検により、リンパ浮腫の病態進行のベースには炎症が深く関わっている。われわれは、動脈硬化を含むさまざまな炎症性血管疾患の病因において重要な役割を果たすことが知られている平滑筋細胞に注目し、病理学的、分子細胞生理学的な観点から分析を継続中である。
2: おおむね順調に進展している
日本及び海外の学会で、リンパ管静脈吻合を行った患者過去3~4年の術後の経過を世界に向けて発表、報告をしている。
早期例に対するリンパ管静脈吻合法の効果を調べる。リンパ浮腫予防に向けて、現在研究を進行中である。
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Plast reconstr surg
巻: 128 ページ: 314-321