ラットの肺に対してトリプシン処理を長時間行い、生存した細胞を増殖させることで得られる培養細胞について、①CD29+CD90+の形質が維持され、骨分化能を有する、②タンパク分解酵素の阻害因子を発現している、③Keratinocyte Growth Factorの発現量が多い、④サーファクタントプロテインの発現は極めて低い、⑤in vitroの実験において、肺胞様構造の形成を誘導する働きがあるなどの特徴があり、in vivoの実験において、マウスの急性肺傷害を軽減する作用があることを明らかにした。今後、急性肺傷害における組織の再生を促す治療手段としての可能性を引き続き検討していきたいと考えている。
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