研究課題/領域番号 |
23390415
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
神谷 厚範 独立行政法人国立循環器病研究センター, 循環動態制御部, 研究員 (30324370)
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研究分担者 |
杉町 勝 独立行政法人国立循環器病研究センター, 循環動態制御部, 部長 (40250261)
川田 徹 独立行政法人国立循環器病研究センター, 循環動態制御部, 室長 (30243752)
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キーワード | 循環 / 心不全 / 左心房圧 / 肺動脈圧 / 右心房圧 / 自動治療 / 医工学 |
研究概要 |
集中治療医学における循環管理は患者の生命予後を直接に決する重責を担い、専門技術や豊富な経験を要する高度医療であり、医師の身体的心理的ストレスは大きい。特に地方の医療過疎地では、医師専門医の不足や過労を背景とした医療過誤が社会問題となっている。 本研究は、研究チームが独自に開発した自動循環管理プロトタイプ装置(国際特許)を基に、実用システムの開発を目指している。まず専門医の診断治療をコンピューター上に再現するため、循環系の内部3特性(心臓ポンプ機能・循環血液量・血管抵抗)が循環動態(血圧・心拍出量・心房圧)を決定する循環系モデルを理論構築し実証した(循環平衡理論)。これを基に、患者の循環動態を計測してPCに送り、循環系モデルを用いて観測不可能な内部3特性を定量化(=自動診断)、独自制御アルゴリズムで循環特性を正常化するための治療命令信号を計算し、ポンプ外部制御で4薬剤(強心剤・血管拡張薬・輸液・利尿剤)を投与する自動医療システムを開発した。これは生体計測-診断-治療の閉ループ下に診断治療を毎分更新するため、病態変化に適応して循環動態の全体を目標値に制御できる。実際に開胸下にて重症心不全犬の循環異常を自動治療した。さらに開胸下ではない閉胸下医療現場での実用化を視野に、(1)間歇的左心房圧と肺動脈圧からの左心房圧連続推定装置、(2)多重安全装置・アラーム装置・患者個人適応制御の開発に取り組み、これを試作した。またさらに、未来医療の試みとして、(3)自律神経系-循環系の相互作用に着目した両系統合モデルの構築、循環と自律神経を同時に最適化するような神経-薬物統合自動医療システムの開発にも取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、集中治療医学の循環管理を支援する自動薬物医療を開発し、また、未来医療の試みとして、循環と自律神経を同時に最適化するような神経-薬物統合自動医療を試作開発することである。これに必要な、間歌的左心房圧と肺動脈圧からの左心房圧連続推定装置、安全装置、アラーム装置、適応制御を試作を進め、また、自律神経系の制御技術の開発を進めており、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
循環管理や循環器病の治療において、自律神経異常の正常化はますます重要だと認識されるようになり、身体低侵襲で効果の高い神経医療が必要である。このため、本研究においても、循環器学だけでなく神経科学的なアプローチも視野にいれて、研究を推進する。
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