研究課題/領域番号 |
23390415
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
神谷 厚範 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (30324370)
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研究分担者 |
川田 徹 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30243752)
杉町 勝 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (40250261)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 循環 / 心不全 / 自動治療 / 生体医工学 / 生体システム |
研究概要 |
集中治療医学における循環管理は患者の生命予後を直接に決する。これは専門知識や技術、豊富な経験を要する高度医療であり、医師の身体的心理的ストレスは大きい。特に医師や専門医の不足する医療過疎地においては、過労を背景とした医療過誤が社会問題となっている。本研究は、研究チームが独自に開発した自動循環管理プロトタイプ装置(国際特許)を基に、実用システムの開発を目指している。そこで、循環系の内部3特性(心臓ポンプ機能・循環血液量・血管抵抗)が循環動態(血圧・心拍出量・心房圧)を決定する循環系モデルを理論構築し実証した(循環平衡理論)を実証し、これを基に、専門医の診断治療をコンピューター上に再現することを目指した。具体的には、患者の循環動態を計測して、その情報をCPUに送り、循環系モデルを用いて観測不可能な内部3特性を定量化(=自動診断)、独自制御アルゴリズムで循環特性を正常化するための治療命令信号を計算し、ポンプ外部制御で4薬剤(強心剤・血管拡張薬・輸液・利尿剤)を投与する自動医療システムを開発した。これは、生体計測-診断-治療の閉ループ制御の下に診断治療を毎分更新するため、病態変化に適応できる点、循環動態の全体を目標値に制御できる点を特長とする。実際に開胸下にて重症心不全犬の循環異常を自動治療した。さらに開胸下ではない閉胸下医療現場での実用化を目指して、①左心房圧の連続推定法の開発、ならびにそれを組み込んだ、身体低侵襲な自動薬物医療システムの開発、②多重安全装置・アラーム装置・患者個人適応制御の開発、に取組み、試作した。また、未来医療の試みとして、③循環と自律神経を同時に最適化するような神経-薬物統合自動医療システムの開発を目指し、自律神経-循環系の相互作用の解明に、神経科学的な側面からも取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、集中治療医学の循環管理を支援する自動薬物医療を開発し、また、未来医療の試みとして、循環と自律神経を同時に最適化するような神経-薬物統合自動医療を試作開発することである。これに必要な、左心房圧連続推定装置、安全装置、アラーム装置、適応制御の試作、改良や検証を進め、また、自律神経系の神経科学的な側面からの研究や神経制御技術の開発を進めており、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
循環管理や循環器病の治療において、自律神経異常の機序解明や神経を正常化する医療はますます重要だと認識されるようになり、身体低侵襲で効果の高い神経医療が必要である。このため、本研究においても、循環器学だけでなく神経科学的なアプローチも視野にいれて、研究を推進する。
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