研究課題/領域番号 |
23390420
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
槻木 恵一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00298233)
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研究分担者 |
杉本 昌弘 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (30458963)
斉藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | BDNF / 唾液腺 / ATP / うつ病 / 唾液 / 抗うつ薬 / 咀嚼運動 |
研究概要 |
ヒトにおける血中BDNF量および唾液BDNF量の咀嚼運動の影響についての解明 本申請の目的は、唾液腺に認められるBDNFがどのような役割を持っているか明らかにするため、その基礎的研究として平成23年度は、唾液腺におけるBDNFの発現メカニズムを検討した。その結果、BDNFはATPレセプターを介して発現が増加することが明らかとなり、咀嚼運動がATPレセプターの増加に関連していることを突き止めた。その研究を受けて平成24年度は、ヒトにおける検証を行うというのが目的である。すなわち、ヒト唾液中におけるBDNF量は咀嚼運動で増加するかどうかを検討した。これまでに、歯科的な問題がなく全身疾患もない成人男性の検討を行った。咀嚼運動は、無味無臭ガムにて5分間、10分間、20分間行い採取した唾液について、ELISAを用いて解析した。その結果、唾液BDNFは時間依存的に増加傾向を示したが、血中BDNFはほとんど変化が認められなかった。特に成熟型のBDNFが検出され未熟型は明らかでなかった。唾液BDNFが血中に移行するには長時間が必要と思われた。 唾液腺BDNF発現調節に対する抗うつ薬の効果についての解明 ATP受容体を介するBDNF発現増加のメカニズムに対して、抗うつ薬の影響を検討した。抗うつ薬を投与されると血中BDNFの量は増加することが報告されており、唾液腺における発現にも影響するかもあわせて検討した。抗うつ薬を連続4日投与し、唾液腺組織内濃度および血中濃度をELISAで検討した。その結果、唾液腺組織内濃度はほとんど変化が認められなかったが、血中濃度は増加傾向を示した。また、唾液腺組織におけるATPレセプターへの影響もほとんどなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト検体の採取数が少ないことから、継続的にサンプル数を増加させるよう研究を進めることで、達成度は飛躍的に高まると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト検体を増加させるために、インフォームドコンセントや同意を十分取る配慮を行いながら、学生などに呼び掛け協力を得ることを行う。
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