研究課題/領域番号 |
23390423
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 幸夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10112062)
|
研究分担者 |
能城 光秀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00144858)
河本 健 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50224861)
藤本 勝巳 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40294566)
|
キーワード | 転写因子 / ノックアウトマウス / 血圧 / 時計遺伝子 / 2012/12/01 |
研究概要 |
各血圧関連遺伝子の概日リズム発現とDEC1ノックアウトおよびClock変異の影響について詳細に検討した。その結果、大動脈、心臓、腎臓において、Na pump ATPase-ATP1B1 mRNAレベルはいずれも明確な概日リズム発現を示し、それはDEC1ノックアウトによってより亢進した。通常DEC1が同遺伝子発現を抑制しているためである。また、Clock変異マウスでは同遺伝子発現の概日リズムが見られなくなった。一方、他の血圧関連遺伝子について検討したところ、大動脈、心臓、腎臓において、ATP1A1.Ma/H交換体、アルドステロン受容体、アンジオテンシン2受容体に明確な概日リズム発現が観察されなかった。またDEC1ノックアウトもClock変異もこれらの血圧関連遺伝子の発現にほとんど影響しなかった。つまり、DEC1はNa pump ATPaseのなかでもATP1B1サブユニットの転写に選択的に作用して、血圧の概日リズムを制御して、血圧調整ホルモン系にはほとんど影響しないことが明らかになった。実際に、DEC1ノックアウトマウスとClock変異マウスの血中アルドステロンレベルを測定しても、その概日リズム変動に有為な影響が観察されなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は地震災害と関連して予算執行が不明確であったため、血圧の自動測定機や試薬購入などは予定より大幅に遅れた。しかしそれ以外の研究はかなり進展した。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度はマウス血圧の自動測定の予備検討もできなかったため、次年度は設置した血圧の自動測定機を稼働して、ノックアウトマウスの血圧測定実験を中心にすえて実験を進行させる。
|