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2012 年度 実績報告書

口腔癌の局所腫瘍免疫に及ぼす低酸素環境ならびにHIF-1αの影響

研究課題

研究課題/領域番号 23390430
研究機関高知大学

研究代表者

山本 哲也  高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (00200824)

研究分担者 宇高 恵子  高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (40263066)
笹部 衣里  高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40363288)
山田 朋弘  高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (60335619)
北村 直也  高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (70351921)
大野 清二  高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40624995)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード口腔扁平上皮癌 / 低酸素 / HIF-1α
研究概要

これまでにわれわれは、株化口腔扁平上皮癌(OSC)細胞は低酸素分圧下においてHIF-1α蛋白の発現誘導を介してNK-92(株化NK細胞)および健常人末梢血単核球よりIL-2にて誘導したLAK細胞に対する被傷害性を低下させ、これらに対し抵抗性を示すようになることを明らかにしてきた。そこで、本年度はその機序について明らかにすべく検討し、以下の結果を得た。
1 標的細胞の表面抗原発現に及ぼす低酸素の影響を検討するため、低酸素分圧下で24時間培養したOSC細胞におけるMICA、MICBの発現をフローサイトメトリー法にて解析した結果、MICAおよびMICBの発現低下が認められた。
2 免疫抑制分子の産生をプロテオームプロファイラーアレイキットを用いて検討した結果、OSC細胞を低酸素分圧下で培養することにより培養上清中のslCAM-1、IL-1β、IL-6およびIL-8のレベルが低下した。
3 NK-92細胞におけるNKG2DおよびNKp44受容体の発現に及ぼす低酸素の影響について、低酸素分圧下で培養したNK-92細胞におけるこれらの受容体の発現をフローサイトメトリー法にて検討したところ、NKG2Dの発現低下が認められたが、NKp44の発現に変化は認められなかった。
以上のことより、低酸素環境は低酸素応答のマスター遺伝子であるHIF-1αを介して細胞傷害性細胞の傷害能を低下させるが、それには口腔扁平上皮癌細胞からの免疫抑制分子の産生の増強と、癌細胞および細胞傷害性細胞両者における傷害能活性化受容体の発現低下を介することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

培養細胞を用いたIn vitroの系の研究はほぼ完遂できたが、臨床材料を用いた研究と、マウスを用いたIn vivoの系の研究はまだ途中段階にあることより、おおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

今年度は引き続き臨床材料を用いた検討を行う。具体的には、1)口腔扁平上皮癌患者の血清中のサイトカインレベルをELISA法にて測定する。比較対照として、健常人の血清を用いる。2)口腔扁平上皮癌患者の生検材料を用いて、低酸素領域を明らかにすべくHIF-1α染色を行い、浸潤細胞における各サイトカイン産生細胞、CD4およびCD8陽性細胞、Treg細胞、樹状細胞の数および分布との関連を検討し、これらの結果と癌の臨床・病理組織学的特徴および予後との関連を検討する。また、In vivoにおける検討も引き続いて行う。

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公開日: 2014-07-24  

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