研究課題
波長走査型光干渉断層計(SS-OCT)を用い、1.脱灰と再石灰化による光の減衰係数の変化、2.バイオフイルムを用いた人工う蝕モデルにおけるSS-OCT評価、3.1ステップ接着材の非破壊辺縁封鎖性試験、4.非う蝕性歯頚部欠損(NCCL)の観察をおこなった。1.光の減衰係数は、物質の密度や厚みによって変化することが知られている。脱灰した牛エナメル質を再石灰化し、光の減衰係数の変化を測定した。結果、歯の硬さとの間に高い線回帰がみられ、光の減衰係数の変化を用いることによって、う蝕と再石灰化を評価できる可能性が示唆された。2.う蝕病原性細菌を、人工口腔内装置を用いて歯に作用させ、脱灰病変を作成した。SS-OCTを用いることにより、う蝕病変の進行状況を観察した。その後、実際に歯を半切し、走査型レーザー顕微鏡(CLSM)観察と比較した結果、SS-OCTによる評価はCLSMによる評価と一致していた。3.SS-OCTを用いることによって、コンポジットレジン修復の適合性を非破壊で調査することができる。本実験では、牛抜去歯に皿状窩洞を形成し、各種1ステップ接着材を用いて充填したコンポジットレジン修復の辺縁封鎖性を評価し、実際に窩洞を半切して得られた走査型レーザー顕微鏡(CLSM)画像の結果と比較した。結果、各種1ステップ接着材の辺縁封鎖性を詳細に比較することができた。4.NCCLのみられる歯を臨床にて観察し、欠損の大きさと、歯頚部の亀裂、咬合面の摩耗と比較した。また、抜去歯におけるNCCLを半切し、レーザー顕微鏡を用い、歯頚部の観察を行った。SS-OCTを用いることにより、抜去歯ならびに臨床において非う蝕性歯頚部欠損(NCCL)の深さを観察することができた。また、咬合面の摩耗と歯頚部の亀裂の有無、歯頚部の脱灰は、NCCLの形成と相関がみられた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Biomedical Optics
巻: 18(7) ページ: 076020
Dental Materials
巻: 29(3) ページ: 278-86