研究課題/領域番号 |
23390433
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
興地 隆史 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80204098)
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研究分担者 |
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30220718)
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10323974)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80397132)
金子 友厚 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70345297)
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キーワード | 歯学 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯髄 / スキャホールド |
研究概要 |
申請者らはヒト抜去歯の根管への幹細胞移植により歯髄類似組織を再生させることに成功した。本研究課題は、この成果を発展させつつ臨床応用への技法を創成することを究極の目的として、口腔内で施術可能なスキャホールドの開発・評価、および移植の際に添加する適切な成長因子の探索を行おうとするものである。また、臨床応用を想定した術式の創生と検証には動物実験系が不可欠であるため、ラット臼歯を用いた再生実験系確立をはかるとともに、上述のスキャホールドおよび成長因子のin vivoでの効果検証も併せて行う。 平成23年度は上記の研究目的を達成するための端緒として、顎骨ごと摘出したラット臼歯の組織培養系について培養可能期間の延長を図るとともに、培養歯髄組織に分布する常在性細胞・神経線維・血管系について免疫組織化学的・分子生物学的手法による検索を行った。特に常在性マクロファージやMHCクラスII分子陽性細胞については、免疫組織化学的にその局在様式や密度についてin vivoの正常歯髄との比較を行うとともに、レーザーキャプチャーマイクロダイセクションおよびリアルタイムPCR法を用いて、培養組織中のこれらの細胞における免疫機能分子等のmRNA発現ンレベルを解析した。その結果、培養歯髄組織中の常在性マクロファージにおけるMHCクラスII分子mRNA発現レベルが、正常歯髄組織と同程度に保持されていることなどが確認された。また、象牙芽細胞層におけるDSPP mRNA発現レベルが培養歯髄組織正常歯髄組織で同程度であることも明らかになった。従って、この培養系が、試作スキャホールドの安全性評価やこれらを用いた再生実験に十分適用可能であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット臼歯組織培養系の確立は本研究課題達成の基盤的部分であるため、これに関する検索を詳細に行った。そのため、次段階の検索がやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
次段階の検索として三次元的スキャホールドの試作、ラット歯髄幹細胞の単離を予定しており、いずれも予備的な検索結果は得られている。また、ラット臼歯組織培養系の確立に伴い、スキャホールドの評価も実施可能となることが見込まれる。以上のように、課題達成のために段階的に検索を進めていく予定である。
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