研究課題/領域番号 |
23390447
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
藤澤 政紀 明海大学, 歯学部, 教授 (00209040)
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研究分担者 |
金村 清孝 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50343439)
寺田 信幸 東洋大学, 理工学部, 教授 (90155466)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 咀嚼筋筋電図 / バイオフィードバック / クレンチング / ブラキシズム / セルフコントロール / 認知行動療法 / ストレス / 顎関節症 |
研究概要 |
方法:日中のくいしばりの自覚,ないしは夜間の歯ぎしり指摘のある男性被験者10名(27.8±2.4歳)をバイオフィードバック(BF)群とコントロール(CO)群に5名ずつランダムに分け,3週間の日中および夜間睡眠時のEMG測定を各5時間行った.EMG測定部位として主咀嚼側側頭筋部を選択した.BF群ではクレンチング時にBF信号が発生し,その行動を本人に認識させるBF訓練を2週目に行った.CO群はいずれの週にもEMG測定のみ実施した.その後,ベースラインデータとなる1週目の測定で得られたEMG記録から,Watanabeらの報告に準じて,個人ごとに設定した一定の閾値を超えたEMGイベント数を算出した.個人ごとに算出したEMGイベント数から各週のブラキシズム平均イベント数を求めた.統計処理にはSPSS ver17.0を使用し、two-way repeated measures ANOVAと,その後の多重比較にTukeyのHSD検定をおこなった. 結果:日中では,BF群において2週目および3週目の平均イベント数が,1週目に対して有意に減少した.また,3週目のBF群の平均イベント数はCO群に対して有意に減少した.夜間睡眠時でも,BF群において2週目および3週目の平均イベント数が,1週目に対して有意に減少した.また,夜間睡眠時の3週目のBF群のイベント数はCO群に対し有意に減少した.CO群においては日中及び夜間睡眠時いずれにおいても,1,2,3週の間でイベント数に有意な変化を認めなかった. 日中のクレンチングと夜間睡眠時のブラキシズムのイベント数に相関を認めたとの報告2)もあり,日中のBF効果が夜間睡眠時にも影響を及ぼしたものと考えられる.また,3週目においてもベースラインデータに比較してイベント数の減少が保たれていたことから,訓練1週後において学習効果が得られたことが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である日中の咀嚼筋筋電図バイオフィードバック訓練が日中の覚醒時ブラキシズムのみならず、夜間の睡眠時ブラキシズムに対する抑制効果が認められることが確認できた。被験者数を次年度以降追加し、さらに結果を確立したい。
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今後の研究の推進方策 |
日中の咀嚼筋筋電図バイオフィードバック訓練が日中の覚醒時ブラキシズムのみならず、夜間の睡眠時ブラキシズムに対する抑制効果が認められることが確認できた。今後は、前述のごとく、被験者数を次年度以降追加することと、この現象の考察をする上で、脳機能を含むフィードバックループの解明を行うことで、副作用のないストレスマネージメントシステムとして臨床応用に向けて推進したいと考える。
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