研究課題/領域番号 |
23390450
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
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研究分担者 |
穴田 貴久 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30398466)
井樋 栄二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80193465)
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院医工学研究科, 教授 (80224640)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | リン酸オクタカルシウム(OCP) / ゼラチン / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨再生 |
研究概要 |
平成24年度は平成23年度に検討した,ミルにてナノサイズまで機械破砕したOCPナノ結晶をポーラスGelスポンジに混合して成型し,その複合体の材料学的検討を行った.一方,OCP結晶の性状を調節する目的でOCPにHAの前駆物質群を混合して擬似体液浸漬し結晶相の変化および材料学的検討を行った.X線回折装置によるリートベルト解析にて格子定数の精密化を行った.また,OCP/Gel複合体あるいはOCP/HA前駆体複合体中の結晶の表面の変化をFTIRによるカーブフィッティングにより解析した.結晶の形態変化をSEMにて,ピノメーターあるいは水銀圧入法によって真比重およびマクロポアの容量を評価した.ナノ結晶は破砕によってもオリジナルの結晶構造を示した.一方,結晶性の低下も確認された.OCP/HA前駆体複合体では混合比によってHAへの結晶化が影響を受けた.ラット頭蓋冠の臨界径骨欠損にOCP/Gelのディスクを埋入し,一定期間経過後の標本について軟X線による不透過像の上昇の有無を検討した.ナノOCP/Gel複合体ではコントロール群に比較して不透過像の向上が確認された.また,脱灰標本を用いてヘマトキシリン・エオジン染色切片の観察で,ナノOCP/Gel複合体に骨基質と思われる組織形成が生じていることがわかった. ナノOCP/Gel複合体の経時的な生体反応の検索,および,OCP/HA前駆体複合体のラット頭蓋冠の臨界径骨欠損における生体反応の解析を続けている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H24年度は開発に成功したいくつかの基盤材料が骨欠損への埋入により定性解析レベルではあるが良好な生体親和性を示すことが確認できたことから,おおむね順調に進展していると判断した.短期の軟X線の観察を生体親和性の指標とし材料学的改質へ反映させていく.
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今後の研究の推進方策 |
生体反応が材料上のどの性質と深くかかわるか着目すべきパラメータを絞り込んでいくようにする.特に複合体ではパラメータが多岐に渡ることから,結晶条件を一定とし,生体内における材料吸収性,組織形成能について短期から比較的長期までの解析を進める.
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