研究課題
本年度は、円柱状インプラント型のマグネシウム合金をラット脛骨に移植したモデルに関して、研磨標本を作製し、組織学的な各種携帯計測により、分解挙動、骨形成に関する評価を行った。用いたインプラントは、純マグネシウムに加え、カルシウム、亜鉛を含む2元型、3元型の合金を使用した。観察期間は、最長で32週経過までで、過剰麻酔にて屠殺後、樹脂包埋して研磨標本を作製した。合金の分解量は、組成によって異なるが、ある元素を高濃度に含有させると8週までに消失した。一方で、組成の微量な違いは、分解挙動に大きな影響を示さなかった。腐食生成物量は基本的には分解挙動に一致するが、合金によっては腐食生成物を経過とともに多く生成するものもみられた。腐食生成物は、時間経過とともに減少傾向は示したが、分解の早い合金でも32週まで残留していた。新生骨はいずれの合金にも認められた。特にインプラント周囲に接触する形で観察されたことから、骨との親和性の高い合金であることが確認された。分解量との関連付けを必要とするが、骨への置換とみることができると思われた。一方、分解の早い合金では廃用性萎縮と思われる骨量の減少も認められた。新生骨は基本的にはマグネシウム合金をほぼ全周性に取り囲む形で形成されたが、組織学的には腐食生成物の介在がみられ、腐食生成物が重要な役割を果たしていると思われた。また問題となるガス発生については、これまでの報告にもあるように分解挙動と一致して発生、吸収挙動を示した。しかしガス発生による極端な骨形成阻害はみられなかったが、ガス等の接触による既存骨の吸収像が確認され、ガス発生の制御による骨形成、骨吸収への悪影響がないことの確認の必要性を示唆した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
すべて 学会発表 (2件)