研究課題/領域番号 |
23390453
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
早川 徹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40172994)
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研究分担者 |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80084250)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 歯科生体材料学 / 再生医学 / チタン / チタンファイバー / チタンワイヤー / タンパク質固定化 / コラーゲン / フィブロネクチン |
研究概要 |
多孔性3次元チタンファイバー構造体として,新たにチタンワイヤー(ファイバー系85ミクロン,気孔率87%)を使用した.チタンワイヤーは1本のチタンファイバーを折り曲げて3次元構造体を作製したものである.焼結操作を行わないため機械的強度が以前報告した3次元チタンファイバー焼結体よりも劣るが,成形性には優れている.シリンダー状に成形したチタンワイヤー(直径3.5mm,長さ7.0mm) にトレシルクロリド法を用いて,I型コラーゲンまたはフィブロネクチンを固定化した.固定化の確認はX線光電子分光法にて行った. 動物実験として,日本白色ウサギを用いた.大腿骨関節顆内側部に骨欠損を形成し,コラーゲン固定化3次元チタンワイヤー,フィブロネクチン固定化3次元チタンワイヤーを埋入した.対照として無処理3次元チタンワイヤーを用いた.埋入12週後に試料を摘出し,ホルマリン固定,アルコール系列による脱水を行い,メチルメタクリレート樹脂で包埋した.その後,非脱灰薄切研磨標本を作製し,メチレンブルー・塩基性フクシンで重染色して,新生骨の形成状態を光学顕微鏡にて病理組織学的に観察した.さらに,画像解析ソフトを用いてチタンワイヤー内部に形成された新生骨量を定量的に評価した. その結果,コラーゲンおよびフィブロネクチンの固定化によって骨形成は促進された.特に,皮質骨側に顕著に骨形成の促進が認められた.定量的評価の結果,チタンワイヤー内部の新生骨形成量は無処理チタンワイヤーの約2倍程度向上した.コラーゲンやフィブロネクチンは細胞接着タンパク質として知られている.固定化されたコラーゲンやフィブロネクチンが骨芽細胞の遊走性,接着性を高めたためと推察される. 以上の結果から,コラーゲンやフィブロネクチンの固定化が骨形成を促進することが明瞭になり,3次元チタンワイヤーは顎骨再建材料として有用である事が期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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