研究課題
本研究の目的は、申請者らのこれまでの研究を発展・融合させ、バイオセンサーを用いて同定した骨形成遺伝子および骨形成性生理活性物質をナノDDS により間葉系間質細胞に送達し、これらを新規に開発した自己組織型微小人工骨に搭載させることで、いかなるサイズや形状にも対応でき、速やかに自家骨に置換される次世代の骨再生用ハイブリッド型骨移植片を開発することである。これにより、広範かつ複雑な骨欠損にも対応できる、新しい骨再生戦略に関する基礎的知見の収集を目指している。今年度は、マウス・ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)を4種類の生理活性物質で段階的に処理することで、骨分化を効率的に誘導できることを見出した。本法に従って培養することで、Col1a1、Runx2、Sp7、Ibsp、Bglapといった骨芽細胞分化マーカー遺伝子の著しい発現誘導と石灰化の誘導が認められた。一方、多能性マーカーであるPou5f1(Oct4)、Nanog、Sox2の遺伝子発現は抑制され、外胚葉マーカーであるSox1や内胚葉マーカーであるGata4・Sox17の発現は誘導されないことを確認した。また、骨形成性生理活性物質で処理した幹細胞をテトラポッド型微小人工骨に搭載することでハイブリッド型骨移植片を作製し、ラット大腿骨に作製した直径2.2 mm円筒状骨欠損部に移植した。人工骨単独移植と比較して、マイクロCTによる放射線学的解析により、骨誘導効果を検証したところ、ハイブリッド型骨移植片で骨再生を認めた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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