研究課題/領域番号 |
23390460
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
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研究分担者 |
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80372390)
鄭 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345053)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
森 良之 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70251296)
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キーワード | 低分子化合物 / 骨再生 |
研究概要 |
申請者らがこれまでに同定してきた骨形成性低分子化合物群と骨形成性シグナル作動性化合物群の適用時期と量を最適化し、これらの化合物を「骨形成過程における最適な時期」に「最適な量及び組み合わせ」で投与することにより、欠損部周囲の前駆細胞が自律的に骨の形・量・場所を決め、骨を再生させるシステムを開発することが本研究の目的である。 1.ex vivo骨形成検出システムを用いた、骨形成性低分子化合物群と骨形成性シグナル作動性化合物群による骨形成誘導法の最適化 骨形成性低分子化合物群7種:ヘリオキサンチン誘導体TH、イソフラボン誘導体GI、Hhシグナル作動薬SAG、MAPK経路調節化合物anisomysin(活性化)・SB203580(抑制)、Wntシグナル調節化合物CHIR99021(活性化)・XAV939(抑制)をex vivoマウス中足骨器官培養骨形成検出システムに投与し、投与方法の最適化を試みた。その結果、SAGとTHをそれぞれ1μMで7日間同時に曝露すると、中足骨における異所性の骨殻形成を著しく誘導することが明らかとなった。来年度より、このSAGとTHの組合せを中心に解析を進める予定である。 2.最適化された化合物投与プロトコールの頭蓋骨器官培養系における検証 上記のSAGとTHの組合せを頭蓋骨において検証するために、器官培養系の確立を行った。4日齢マウスの頭蓋骨を10%ウシ胎仔血清を含むDMEMで培養することでexvivoにおいて骨形成を観察できることが確認された。現在、この培養系を用いたSAGとTHの骨形成効果の確認を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初の計画通り骨形成性低分子化合物群による骨形成誘導法の最適化を行い、有望な化合物の組合せと投与方法が明らかとなった。頭蓋骨器官培養系における検証は終了していないものの、現在のところ解析が最終段階にきていることから、全体としては順調に進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の進捗がおおむね順調であることから、研究計画に大きな変更はないと思われる。来年度は本年度見出された低分子化合物群の骨形成メカニズムの解析を予定しているが、特にLC-MSを用いた標的タンパク質の解析においては、解析条件の最適化と解析データの処理と解釈に時間を要すると予想される。これらの進捗が予定通り進まない場合、再来年度にin vivoにおける検証と併せて引き続き解析を行う等、柔軟に対応していきたいと考えている。
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