研究課題
申請者らがこれまでに同定してきた骨形成性低分子化合物群と骨形成性シグナル作動性化合物群を「骨形成過程における最適な時期」に「最適な量及び組み合わせ」で適用することによって、形成される骨の形と量を制御できるのではないかという考えのもとに本研究は着想された。骨形成誘導過程における上記の化合物群の適用時期と量を最適化することにより、欠損部周囲の前駆細胞が自律的に骨の形・量・場所を決め、骨を再生させるシステムを開発することが本研究の目的である。本年度は、昨年度までの検討により骨形成に有望であることが確認されたヘリオキサンチン誘導体(TH)の骨再生効果をラット歯周疾患モデルにより検証した。A)TH含有ゲルの作製:THは疎水性であり、水に不溶なため、シクロデキストリンに包接させ、ヒドロキシプロピルセルロースを用いて、生体に投与可能なTH含有ゲルを作製した。TH含有ゲルはインビトロにおいて顕著な細胞毒性は示さず、骨芽細胞への分化を誘導できることが判明した。また、TH含有ゲルからのTHの徐放についてもインビトロで検証すると、THのゲルからの徐放は少なくとも8日間継続することが明らかとなった。B)ラット歯周疾患モデルの樹立:Wistar rat 8週齢オスの上顎第2臼歯の片側に4週間5-0絹糸結紮を行うことで作製した。本モデルでは、絹糸結紮1週目より歯肉の腫脹と発赤を、絹糸除去直後から歯槽骨の炎症性吸収を認め、骨吸収は絹糸除去後4週まで継続することを確認した。C)ラット歯周疾患モデルにおけるTHの骨再生効果の検証:絹糸除去後1 週間目に、TH含有ゲルを歯肉溝内に注入し、絹糸除去後4週(TH含有ゲル投与後3週)でその歯槽骨再生効果を検証した。マイクロCT像では、対照群、TH投与群共に骨欠損部を認めたが、TH投与群では骨破壊が減少していた。歯槽骨量の定量を行うと、TH投与群では、歯槽骨の減少が有意に抑制されていることが明らかとなった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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