研究課題/領域番号 |
23390462
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
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研究分担者 |
加藤 真吾 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10177446)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10242439)
田邊 嘉也 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40444161)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | HIV / 唾液 / 血中薬剤濃度 |
研究概要 |
研究計画の概要 目的:抗HIV療法施行中の患者にとって血液検査による血中薬剤濃度測定は治療の効果判定に有効である。しかし、血液検査は検査の際の侵襲や場所の制約、また医療従事者側の感染の危険性がある。これに対し、唾液であれば患者自身でも採取可能で場所を選ばず、医療従事者側への感染の危険性もほとんどない上、発展途上国でも検査が行える。そこで、唾液中と血中の薬剤濃度が相関関係にあることを証明し、唾液を用いた薬剤濃度測定へとつなげる。 構想:①唾液を用いたHIV感染者の血中薬剤濃度判定法の開発②免疫グロブリン価の推移を根拠としたHIV-1感染時期判定法の確立③HIV-1感染者唾液の非感染性について 以上の3項目について検証する。 研の進捗状況:本研究は3年計画で行う。平成24年度は①唾液を用いたHIV感染者の血中薬剤濃度判定法の開発について研究を行った。まず、血中薬剤濃度測定はLC-MS/MSを用いることより、4種類の薬剤(DRV/RAL/ABC/TFV)につき測定系の確立を行い、それぞれの薬剤濃度1ng/mLまで定量できることを確かめた。次に、実際の唾液や血漿中に薬剤を加えてLC-MS/MSにて薬剤濃度1ng/mLまで定量できることを確認した上で、本学ならびに関連施設にて患者検体の採集を行っている。現在は唾液中薬剤濃度と血漿中薬剤濃度の相関関係を調べるべく、薬剤を含んだ血漿から除タンパクを行うなど測定前のサンプル処理の方法について検討を行っている。 また③の研究結果に関しては現在、論文としてまとめJournal of Dental Researchに投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は唾液を用いたHIV感染者の血中薬剤濃度判定法の開発についての研究を行い、LC-MS/MSにて唾液中・血中薬剤濃度を定量できる測定系を確立した。患者検体も順調に採取できており、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、引き続き血中薬剤濃度判定法の開発についての研究を行う予定である。 検体採取方法 サンプル採取(唾液・血液)の際の口腔内の状態(潜血、歯周組織、扁桃腺など)の詳細な記録を作成する。(口腔内状態の評価とは具体的に歯周基本検査を行い、歯周状態との関連も考慮にいれる。採血は、田邊が担当)。血液採取と同日にHIV感染患者より唾液を採取する。安静時唾液を50mlの遠心管に吐き出し採取する(高木・永田が担当)。 ・ART療法施行者の血清と唾液中の薬剤濃度の相関 ぜんそく薬のテオフェリン等の薬剤は血中薬剤濃度と唾液中薬剤濃度に相関関係がある。抗ウイルス薬も同様に血中と唾液中薬剤濃度に相関があることを仮定し、相関関係を検討する。薬剤濃度の測定にはLC-MS/MSを用いる(加藤が担当)
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