• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

癌の骨破壊病変に対する新規angiogenin阻害剤による分子標的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23390463
研究機関岡山大学

研究代表者

佐々木 朗  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00170663)

研究分担者 岸本 晃治  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40243480)
志茂 剛  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40362991)
伊原木 聰一郎  岡山大学, 大学病院, 助教 (80549866)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード血管新生因子 / angiogenin / 骨破壊 / ノックアウトマウス / 癌
研究概要

癌の骨浸潤・骨破壊には,破骨細胞性骨吸収が重要な役割を果たす。申請者は,癌細胞に発現する血管新生因子angiogenin (ANG)を分子標的としたANG選択的阻害薬の癌の骨浸潤,骨破壊の治療法の臨床応用を目的に研究を計画した。
1.ANG-1ノックアウトマウス(ANG-KOマウス)に対する骨吸収因子の影響
昨年度の骨髄細胞ならびに脾細胞を用いた破骨細胞形成系で,ANG-KO群はWT群と比較して破骨細胞数の減少を認めたことから,本年度は,ANG-KOマウスの頭部皮下にPTHrPを注射し,頭蓋冠の骨吸収を誘発させ,組織学的に検討した。その結果,in vitro 同様にWTマウスと比較しANG-KOマウスでは破骨細胞性骨吸収が抑制され骨吸収への関与が示唆された。
2. ANG 阻害剤の破骨細胞性骨吸収における解析
1)新規ANG 阻害剤のin vitroでの細胞障害性の検討:ANG は細胞内の核へ移行する。ANG の核移行はリボソームRNAの転写に必須であることから、この経路をブロックするNeomycin ならびにANG 分泌自体を抑制する新規化合物Terrein glucosid についてin vitroにて検討した。その結果,Terreinは,骨芽細胞様細胞MC3T3E-1,骨髄間質細胞ST2,ANG高発現ヒト口腔扁平上皮癌HSC2に対して濃度依存性に細胞障害を示したが,HSC2で効果が最も強かった。Terreinは各種合成体の作成し安全性等を検討中である。
2)口腔扁平上皮癌骨破壊動物モデルに対するANG阻害剤の効果の検討:HSC-2をヌードマウス大腿骨内に注射して作製した癌骨破壊モデルに対するANG阻害剤(Neomycin)の癌骨破壊について検討した。X線学的には差異は少なかったが,濃度を再検討して追試をおこなっている。Terreinは皮下移植モデルで抗腫瘍効果が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究で最も重要な癌誘発骨破壊動物実験モデルでの結果が画像所見において効果が不十分であり,阻害剤の濃度変更を行った上で追試をすでに行っており,サンプリングができ次第評価が可能である。そのためコアの部分の結果の公表がやや遅れているが平成25年度内には可能と思われる。

今後の研究の推進方策

angiogenin(ANG)を標的にした癌の骨破壊の制御を検討しており,臨床的な観点から動物モデルでのANG阻害剤の検討が最も重要である。昨年度の結果は骨破壊の評価でバラつきが認められたが,同サンプルの組織学的検討ならびにすでに阻害剤の濃度を再検討して動物実験も追試を開始しており特に問題なく推敲できると思われる。新規化合物Terrein glucosid に関しては,in vitro での検証は行ったが,in vivoに関しては,平成24年度に癌の皮下移植モデルでの効果について投与濃度ならびに抗腫瘍効果は確認できており,癌の骨破壊動物実験モデルでの検証もすでに準備中である。さらに安全性のあるより効果を示す化合物についてアナログの開発と細胞障害へのin vitroの検討を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 血管新生因子angiogeninを標的とした口腔扁平上皮癌の癌骨破壊制御に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      青木香澄
    • 雑誌名

      岡山歯学会雑誌

      巻: 31 ページ: Thesis1-13

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi