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2011 年度 実績報告書

細胞リプログラミングを応用した人工口腔組織幹細胞の作成とその評価

研究課題

研究課題/領域番号 23390470
研究機関東北大学

研究代表者

福本 恵美子  東北大学, 病院, 助教 (10264251)

研究分担者 阪井 丘芳  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90379082)
山田 亜矢  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40295085)
キーワード幹細胞 / 歯髄 / 分化誘導
研究概要

本研究では、iPS細胞作製に必要な4遺伝子に相当する分子について、口腔組織幹細胞誘導において明らかにし、これら新しい遺伝子を用いた人工的な組織幹細胞誘導に必要な技術開発を目的としている。
そこで、歯髄などの組織細胞と、歯髄幹細胞との遺伝子発現の差をもとに、候補遺伝子のスクリーニングを行っていたが、震災により、細胞サンプルを全て喪失してしまった。そこで我々は、これまで行なってきた手法を用いて、歯髄組織細胞株、歯髄幹細胞株について、細胞ソーティングや限界希釈法を用いて、再度同等の分化活性を有する細胞作製に成功し、包括的な遺伝子スクリーニングを開始した。また、歯髄細胞においては、GSK3b inhibitor-IXを用いることで、Oct4を発現し、BMP2で効率よく骨芽細胞に分化誘導できることを確認した。また、iPS細胞からエナメル芽細胞、象牙芽細胞への分化誘導に成功したことから、iPSから口腔組織細胞に分化する過程での遺伝子発現変化について検討をおこなった。その結果、口腔上皮細胞分化においては、内皮細胞マーカーであるGata6、cdx2および間葉系幹細胞マーカーであるbrachyuryの発現が消失し、CK14やp63などの上皮細胞マーカーが発現し、その後アメロブラスチンやエナメリンなどの、歯特異的基質の発現が上昇することを見いだした。このin vitroにおけるiPS細胞からエナメル芽細胞への分化誘導過程についても、その分化段階に応じた遺伝子発現の変化について、マイクロアレーを用いた包括的な遺伝子スクリーニングを行なう予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

東日本大震災により、研究施設が使用できなくなり、また細胞などのサンプルを喪失してしまった。一部の実験を新しい機器により自動化するなどして、効率よく研究を実施できる体制を整えつつあり、また失った細胞サンプルも、再作成するなどして、本来の研究ができるようになってきた。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画通りに、歯髄細胞株:mDP細胞への発現ベクターの遺伝子導入、また組織幹細胞(歯髄幹細胞株:mDP-SP細胞)、薬剤処理mDP細胞(mDP-GSK3bi-IX)で差の認められた遺伝子群に関しては、歯髄幹細胞株mDP-SP細胞遺伝子導入を行う。本年度スクリーニングを行った薬剤についても、歯髄細胞株への処理を行い、遺伝子導入細胞と主に、歯髄細胞における分化能の評価を行う。歯髄細胞への単一遺伝子の導入では、iPS細胞の誘導と同様に、何ら変化が認められないことが予想される。そこで、候補遺伝子のすべてを一度に遺伝子導入し、未分化状態を確認した後に、1つ1つの遺伝子を除外した遺伝子導入を繰り返すことで、候補遺伝子の同定を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Role of Epithelial-Stem Cell Interactions during Dental Cell Differentiation2012

    • 著者名/発表者名
      Arakaki M, Ishikawa M, Nakamura T, Iwamoto T, Yamada A, Fukumoto E, Saito M, Otsu K, Harada H, Yamada Y, Fukumoto S
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 287 ページ: 10590-10601

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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