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2012 年度 実績報告書

細胞リプログラミングを応用した人工口腔組織幹細胞の作成とその評価

研究課題

研究課題/領域番号 23390470
研究機関東北大学

研究代表者

福本 恵美子  東北大学, 大学病院, 助教 (10264251)

研究分担者 山田 亜矢  東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40295085)
阪井 丘芳  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90379082)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード幹細胞 / 口腔組織 / 歯髄
研究概要

本研究では、iPS細胞作製に必要な4遺伝子に相当する分子について、口腔組織幹細胞誘導において明らかにし、これら新しい遺伝子を用いた人工的な組織幹細胞誘導に必要な技術開発を目的としている。
そこで、歯髄などの組織細胞と、歯髄幹細胞との遺伝子発現の差をもとに、候補遺伝子のスクリーニングを行っていたが、23年度は震災により、細胞サンプルを全て喪失してしまった。そこで24年度までに、これまで行なってきた手法を用いて、歯髄組織細胞株、歯髄幹細胞株について、細胞ソーティングや限界希釈法を用いて、再度同等の分化活性を有する細胞作製に成功し、包括的な遺伝子スクリーニングを開始した。また、歯髄細胞においては、GSK3b inhibitor-IXを用いることで、分化した歯髄細胞をOct4陽性細胞に誘導し、BMP2を添加することで効率よく骨芽細胞に分化誘導できることを確認した。また、iPS細胞からエナメル芽細胞、象牙芽細胞への分化誘導に成功したことから、iPSから口腔組織細胞に分化する過程での遺伝子発現変化について検討をおこなった。その結果、口腔上皮細胞分化においては、内皮細胞マーカーであるGata6、cdx2および間葉系幹細胞マーカーであるbrachyuryの発現が消失し、CK14やp63などの上皮細胞マーカーが発現し、その後アメロブラスチンやエナメリンなどの、歯特異的基質の発現が上昇することを見いだした。このin vitroにおけるiPS細胞からエナメル芽細胞への分化誘導過程についても、その分化段階に応じた遺伝子発現の変化について、マイクロアレーを用いた包括的な遺伝子スクリーニングを行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

東日本大震災により、23年度は研究施設が使用できなくなり、また細胞などのサンプルを喪失してしまった。一部の実験を新しい機器により自動化するなどして、効率よく研究を実施できる体制を整え、また失った細胞サンプルも、再作成するなどして、24年度は本来の研究ができるようになった。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画通りに、さらに歯髄細胞株(mDP細胞)への組織幹細胞特異的遺伝子の発現ベクターの導入を行い、24年度と同様に未分化誘導の程度についてOct4, Klf4, Nanog, Sox2などの幹細胞マーカーや、内皮マーカーGATA6、間葉系マーカーbrachyury,上皮マーカーp63やサイトケラチンの発現を検討する。歯髄細胞株へスクリーニングを行った薬剤を添加し、歯髄細胞における分化能の評価を行う。 歯髄細胞への単一遺伝子の導入では、iPS細胞の誘導と同様に、何ら変化が認められないことが予想される。そこで、候補遺伝子のすべてを一度に遺伝子導入し、未分化状態を確認した後に、1つ1つの遺伝子を除外した遺伝子導入を繰り返すことで、候補遺伝子の同定をさらに進める。

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公開日: 2014-07-24  

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