研究課題/領域番号 |
23390472
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大嶋 隆 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (80116003)
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研究分担者 |
仲野 和彦 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (00379083)
野村 良太 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90437385)
根本 浩利 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80527226)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 口腔細菌 / う蝕 / 歯周病 / 口腔レンサ球菌 / 感染性心内膜炎 / 非アルコール性脂肪肝炎 / コラーゲン結合タンパク / 高ビルレンス株 |
研究概要 |
これまでの研究から、口腔細菌は循環器系をはじめ脳血管系および消化器系にも病原性を示す可能性が考えられたため、本研究では、血液中に侵入した口腔細菌が各臓器に与える影響を包括的に解明することを目標とした。初年度には、主要なう蝕原性細菌であるStreptococcus mutansおよび歯周病性細菌であるPorphyromonas gingivalisを用いて、各種動物モデルにおける病原性の評価を行った。大腿動脈損傷マウスモデルにおける血管内皮肥厚に対する評価では,S. mutans菌株では肥厚は生じなかったが、歯周病性の強いP. gingivalis菌株では病変の悪化が認められた。また、脳出血および腸炎に関しては、S. mutansの血液分離株が病変の悪化を惹起することが明らかになった。今年度は、非アルコール性脂肪肝モデルに関する病原性の検討を行った結果、S. mutansのうち血液分離株が脂肪肝炎を悪化させることが示された。さらに、感染性心内膜炎に対する病原性に関する分析を行った結果、S. mutansのうち菌体表層にコラーゲン結合タンパクを有する菌株が高い病原性を示すことが分かった。今後、これまでに得られた全てのデータを総括し,各菌種および菌株の及ぼす各種臓器への影響に関して系統立てて解析していきたいと考えている。それによって、血液中に侵入した菌が発揮する病原性に関する包括的な解明につながると考えている.さらに、各種疾患患者における口腔検体の分子生物学的解析を進めており、それぞれの疾患において特異的に存在する菌種および菌株の特定も継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の当初の目的である「各菌種および菌株の及ぼす各種臓器への影響に関して系統立てて解析」につながるデータが、最終年度に向けてそろいつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで2年間の結果を踏まえて、本研究の当初の目的である「各菌種および菌株の及ぼす各種臓器への影響に関して系統立てて解析」に対する結論が得られるように、予定通りすすめていく。
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