研究課題/領域番号 |
23390473
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
仲野 道代(松本道代) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30359848)
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研究分担者 |
藤田 一世 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00437386)
大嶋 隆 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (80116003)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | バイオフィルム / ミュータンスレンサ球菌 / シグナル伝達 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
Streptococcus mutans を中心とする口腔バイオフィルム形成に関連する遺伝子はこれまでに多くの報告がなされている。S. mutans のバイオフィルム形成におけるシグナル伝達システムは、主としてcomC遺伝子が重要な働きを示す2成分調節因子が関連していると考えられ、これまでに様々な報告がされている。しかしながら、S. mutans にはもう一つのシグナル伝達システムが存在するといわれている。S. mutans は口腔内の過酷な環境の変化の中で生存しバイオフィルムを形成する。低pHに伴う水素イオン、抗生物質の侵入、および他の菌の侵入などの危険にさらされている。この中で S. mutans はこれらの環境の変化に対応するためのタンパクを発現することにより、環境に抵抗し、生育していくシステムを持っている。このシステムは環境の変化をシグナルとし、シグナルを感知した際に適応するために必要なタンパクの発現が開始するというものである。このシステムの中では細胞膜上に存在するタンパクが重要な働きをしていると考えられている。ATP結合タンパクは膜上に存在し、ポンプの役割を果たすといわれている。そこでこれらのATP結合タンパクがシステムの中でどのように機能しているかを調べた。まずはじめに、すでに報告されているS. mutans のゲノム配列からATP結合タンパクを抽出し、それらのタンパクの欠失変異株を作製した。これらの菌を用いて、抗生物質感受性を調べたところ親株と比較して明らかに変化していた。さらに、ヒートショック、浸透圧などのストレス下において、ATP結合タンパクをコードする数種の遺伝子の発現量を調べたところ、上昇するものと減少するものに分類された。これらの結果より、ATP結合タンパクは様々なストレスに対し、特異的に発現を開始することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子のスクリーニングを行い、それぞれの機能について、欠失変異株の作製を行い、それらを用いた分析が進んでいる。また、遺伝子を特定することにより、それらの発現に関する解析も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
スクリーニングを行った遺伝子のバイオフィルム形成中における発現を調べることにより、バイオフィルム形成における役割を特定する。さらに調節遺伝子によるこれらの遺伝子の発現の関与を調べ、シグナル伝達システムへの関与を明らかとする。
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