研究分担者 |
谷本 幸太郎 広島大学, 医歯薬保健学研究院 (歯), 教授 (20322240)
本川 雅英 広島大学, 大学病院, 病院助教 (90457268)
麻川 由起 (丹根 由起) 広島大学, 医歯薬保健学研究院 (歯), 助教 (50526241)
國松 亮 広島大学, 医歯薬保健学研究院 (歯), 助教 (40580915)
廣瀬 尚人 広島大学, 医歯薬保健学研究院 (歯), 助教 (50611935)
吉岡 基子 広島大学, 大学病院, 医員 (00612003)
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研究概要 |
今年度は、過度な負荷による顎関節軟骨破壊機序に対するCox-2 選択阻害剤 (Celecoxib) の影響について検証した。ブタ由来下顎骨軟骨細胞を単離・培養し、フレククサーストレインユニットを用いて軟骨細胞に15 kPa の伸張刺激を負荷し、Cox-2およびMMP-1,3,9の遺伝子発現を定量PCR解析を行うとともに、ウエスタンブロット解析を行った。さらに、カゼインザイモグラフィーによるMMP活性の変化についても検討した。過度な機械的伸張刺激により、Cox-2およびMMP-1,3,9の遺伝子発現が有意に亢進した。また、ウエスタンブロットおよびカゼインザイモグラフィーによる解析でも、過度な機械的伸張刺激により、Cox-2およびMMP-1,3,9発現が増加した。また、合成阻害剤であるシクロへキシミド存在下において、軟骨細胞に、フレククサーストレインユニットを用いて機械的刺激を付与し、Cox-2、MMP-1,3,9 の遺伝子発現の変化を検討した。機械的刺激負荷6時間後のCox-2、MMP-1,3,9遺伝子は有意に亢進された。 そして、機械的刺激受容体による直接的なCox-2の誘導およびMMP発現に対するCox-2選択的阻害剤の影響の検討では、Cox-2選択的阻害剤であるCelecoxib は、機械的刺激受容体による直接的なCox-2の誘導およびMMP発現を有意に抑制した。 以上の結果より、Cox-2選択的阻害剤 (Celecoxib) を顎関節症に応用した際の軟骨基質代謝への影響が明らかとなり、その有効性が示唆された。
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