研究課題/領域番号 |
23390478
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 聡 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
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研究分担者 |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
北村 正博 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10243247)
柳田 学 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80379081)
斎藤 正寛 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40215562)
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キーワード | 歯根膜 / インフラマソーム |
研究概要 |
1)歯周組織構成細胞におけるインフラマソーム複合体の発現解析 培養ヒト歯周組織構成細胞(歯根膜細胞、歯肉線維芽細胞、歯肉上皮細胞、歯槽骨由来骨芽細胞)、マウス歯根膜細胞株(MPDL)、マウス歯肉線維芽細胞株(MG/B6)およびマウス骨芽細胞株(KUSA)におけるインフラマソーム複合体の遺伝子発現をReal-time PCR法にて解析した。その結果、各細胞によりインフラマゾーム関連遺伝子の発現パターンが異なることが明らかとなった。 2)マウス歯周組織におけるインフラマソーム複合体の発現解析 歯周組織におけるインフラマソーム複合体の発現を検討するため、マウスから上顎組織を採取し、歯および歯周組織を含む凍結薄切片を作製した。インフラマソーム複合体への特異抗体を用いた免疫組織化学染色法により、分子発現を解析した。その結果、インフラマソーム複合体のうち、ASC複合体およびCaspase-1の発現が歯周組織に認められ、特に歯根膜における高い発現が明らかとなった。 3)in vitro歯周炎モデルにおける解析 まず、TLR3アゴニストであるPoly(I:C)にて歯根膜細胞を刺激したところ、インフラマゾーム関連遺伝子であるNLRP3、Caspase-1、P2X7遺伝子の発現誘導が認められた。次に、細菌由来のLPSで歯根膜細胞を刺激することでin vitro歯周炎モデルを構築した。同モデルにおけるインフラマソーム複合体の発現動態をRea1-timePCR法にて解析したところ、LPS刺激によりインフラマソーム複合体発現が上昇した。 4)in vitro歯周組織再生モデルにおける解析 歯根膜細胞を石灰化誘導培地(10%FCS、10mMβ-glycerophosphate、50mg/ml ascorbic acid含有α-MEM)にて長期培養することにより、硬組織形成細胞への分化を誘導するin vitro歯周組織再生モデルを構築した。同モデルにおけるインフラマソーム複合体の発現動態をReal-time PCR法にて解析したところ、歯根膜細胞分化過程に伴ってインフラマソーム複合体遺伝子発現が上昇することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年初頭の計画に沿った実験が遂行できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に行った研究実験をさらに推進することで、再現性の高い研究成果を得ていくとともに、歯根膜特異的分子であるPLAP-1の慢性炎症への関わりを詳細に解析することにより、細胞外基質(ECM)とインフラマソームとの相互作用を解明し、歯周疾患の発症や病態形成に関わる分子病因を明らかとしていく。
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