研究課題/領域番号 |
23390482
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部・口腔保健学科, 教授 (40295861)
|
研究分担者 |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部・歯学科, 教授 (40163208)
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部・歯学科, 教授 (80192251)
|
キーワード | 老化 / 肥満 / 歯周疾患 |
研究概要 |
肥満状態と免疫機能の関連を分子生物学的に検討するため、アディポネクチン刺激がマクロファージのサイトカイン分泌能に与える影響について検討したところ、球状型アディポネクチン(gAd)はG-CSFやIL-6の分泌を誘導することがわかった。また、gAd刺激によるG-CSFは8時間程度から分泌量が減少したが、これは、SOCS1によるネガティブフィードバック効果であることがわかった(Molecular Immunology,2011,2052-2058)。SOCS1はgAd刺激によるMAPKs(p38、ERK、JNK)のリン酸化やSTAT3の核内移行を抑制したり、アポトーシスの誘導、活性酸素種の産生を抑制したりすることから、アディポネクチンによる多様な生物活性を負に制御している可能性が示唆された。アディポネクチンは長寿ホルモンとして注目されているが、血中濃度によっては過渡に免疫機能を亢進する可能性が有り、その制御にSOCSsを応用することが期待できる。 歯周疾患の疫学調査では、CPIなどの歯周ポケットの測定に基づくスクリーニング方法が一般的であるが、当該方法は検査者、被験者とも多くの負担がかかる。大規模調査で歯周疾患を簡便にスクリーニングするための、歯周病態を反映した生物学的スクリーニング方法の確立が求められていることから、新規の唾液潜血試験(ペリオスクリーン)と歯周病態との関連を調べたところ、ペリオスクリーンの感度と特異度はそれぞれ0.72と0.52であり、ペリオスクリーンはプロービング時出血した歯が1本以上あること、および歯周ポケット4mm以上の歯の割合との間にそれぞれ強い相関が認められた。これらのことから、ペリオスクリーンは歯周疾患の簡便なスクリーニング方法として十分応用できることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究材料として血液サンプルを400名分採取でき、老化指標である8-OHdGを測定し、歯周組織やメタボリックシンドローム関連データと合わせて統計解析するための素地ができた。
|
今後の研究の推進方策 |
研究機器はそろっているため、更なる研究の推進のため臨時の研究補助員を雇用する。
|